番組検証結果 
ザ・スクープ(2002年1月放送分)

番組名 番組タイトル 放送日 総合得点
ザ・スクープ 「徹底告発!国民の血税を無駄遣いする無神経な輩」 1月26日 80点/125点 64

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・番組名 ザ・スクープ(テレビ朝日、土曜日、10:50-11:45)
・番組タイトル 「徹底告発!国民の血税を無駄遣いする無神経な輩」2002年1月26日放送
・内容
(番組HPより)
1、こんなもの要らない?「道の駅」全国で増殖中

国道沿いに次々と建設されるドライバー用休憩施設「道の駅」は、今や全国に649軒、近い将来3ケタ突破を 目指し増殖中である。しかし、ウルグアイラウンド対策費など様々な名目の税金を使って建設される「道の駅」は 本当に必要なものなのか?経営状況はどうなのか?番組では、全国で最もその数が多い岐阜県の「道の駅」銀座=国道41号線を走破。その業務内容や採算を徹底チェック。うまくいっても民業圧迫、うまくいかなければ税の無駄遣いというその実態を報告する。

2、消えた霞ヶ関プールの謎

霞ヶ関2丁目にそびえる中央合同庁舎2号館。その地下深く封じ込められた事実がある。実は、今から3年前、そこでは税金で官僚用の温水プールの建設が行われていた。しかし、当時の建設省の担当者はその事実をひた隠しにした末に、「非常用の備蓄水槽」として有効利用すると釈明した。あれから3年、問題の地下4階は今どうなっているのか?基礎工事まで終わっていたプールはすっかり姿を消し、そこは文書庫と姿を変えていた。しかし、IT化・ペーパーレス化が進む中でこれは、世間の批判を考慮しての後付けの利用名目ではないのか?プールにしろ、文書庫にしろ、本当にその必要性を精査したものなのか。なんとも杜撰な予算・決算のチェック問題を告発・検証する。

・総合得点 80点/125点
・構成 16点/25点
・論理性 17点/25点
・新奇性 20点/25点
・広範性 12点/25点
・表現 15点/25点
 
草野厚
・構成 前半では、国からの補助金による三セクの道の駅(トイレ、駐車場、物販販売の三点セット)649箇所の問題点を、道の駅銀座の岐阜県に焦点を当てている。後半では、前半で導き出された官僚システムの問題を、霞ヶ関に計画されたプールをもとに、改めて検証する。エピソード的に紹介される道の駅の問題点(民業圧迫、税金の無駄遣い)は興味深いが、後半のプールの話とのつながりがいまひとつ整理されておらず、よくわからない。両者ともに、材料が豊富だけに、惜しい。 3点
・論理性 道の駅が民業圧迫、税金の無駄遣いというのは、数多くの具体例でわかった。予算の出所がウルグアィラウンド対策費であり、本来地域農業の発展、雇用の創出という目的であったとすると、問題点は多いという指摘もよくわかる。しかし、地方の側がなぜ、こうした三セク(道の駅)を要望するのかという点の切り込みがないために、隔靴掻痒である。地方のゼネコン救済などの側面があったと思われるのだが。後半の霞ヶ関が計画していたプールが、建設途中で、報道されたために、計画が変更され文書庫になるまでの、経緯は、過去の取材VTRもあり、説得力があった。官僚が、これはアイディアだけで、設計もしていないし、発注もしていないとしていたのに、建築現場をみて、しどろもどろになる姿は、官僚のいいわけが具合的にわかって興味深かった。しかし、重ねていうが、前半後半のつながりは不明。 3点
・新奇性 独自取材、スクープという点からすると、前半もさることながら後半のプールが秀逸であった。ただ、プールは新聞報道がきっかけだったので、どこの新聞かをきちんと紹介したほうがフェアであったのではないか。 5点
・広範性 前半については、地元岐阜県の県警がきけなかったのは、残念だった。岐阜県に集中しており、岐阜県の梶原知事が旧建設省出身であることからも、よけいに知りたかった。後半のプールについては、当事者の見解が十分に聞けたといってよい。 3点
・表現 プールの映像は、結局完成しなかったのだから、イメージ映像とキャプションをつけるべきであった。少し、やりすぎ。この取材記者は、積極的な姿勢で好感がもてるが、時々、相手を小ばかにした態度が見受けられる。批判される相手のことも考えるべき。 2点
 
小野塚征志
・構成 「道の駅」と「霞ヶ関のプール」を取り上げるのであれば、冒頭でそのことをはっきり伝えた方がわかりやすかったのではないか。それぞれの問題点に対する指摘はわかりやすかったが、論点を適宜整理した方がより理解しやすくなったと思う。 3点
・論理性 ペーパーレス化は時代の流れという指摘があったが、だからといって文書庫の必要性が急激に失われるわけではない。また、最終的な責任者について、国土交通省の担当官が即座に答えられなかったからといって、無責任な行政だと批判する番組の姿勢には疑問を覚える。しかし、番組が指摘する「道の駅」や「霞ヶ関のプール」の問題点は明確であり、十分な説得力があった。十分な論拠が紹介されていたと思う。 4点
・新奇性 「道の駅」や「霞ヶ関のプール」については、いくつかの雑誌などで問題点が指摘されていたと思うが、テレビ番組で紹介されることは比較的珍しいと思う。また、番組独自の情報も少なくなかった。特に「道の駅」では、地元商工会議所の証言を紹介したこと、「霞ヶ関のプールでは、国土交通省の担当官の証言の食い違いを追及した点は評価できる。 4点
・広範性 あまりにも一方的な内容だった。「道の駅」について、利益をあげている場合でも、あげていない場合でも、問題があると総括していたが、評価すべき点については一切触れていない。確かに「道の駅」には問題が多いと思うが、すべての「道の駅」を不要だと印象付けるような番組の姿を評価することはできない。米国の事例も同様である。確かに米国の査定の方が優れた部分もあるかもしれないが、全面的に日本の査定の方が劣っているかのような伝え方には問題があると思う。 1点
・表現 冒頭でのCGの使い方、背景の音楽など、視聴者の疑惑を増大させるような表現手段が多用されていたように思う。しかし、番組の最後の部分で、鳥越キャスターが取材対象者の「目が泳いでいる」ことを指摘していたが、そこをうまく取材し、放映した点は評価できる。敢えてCGや音楽を使わずとも、百聞は一見にしかずともいうべき有益な映像材料があったのだから、それだけで勝負して欲しく思った。 3点
 
小峯弘靖
・構成 国民の知らない税金の無駄遣いについて「道の駅」と「霞ヶ関中央合同庁舎2号館地下の温水プール計画」を取り上げ、説明を行っている。事例を通して税金の無駄遣いを探るというアプローチしているが、「道の駅」に関しては、まずは国と県の財政的、政策的な関与がどの程度のものなのかを事前に説明した上で、個別の事例にあたっていく方がわかりやすい。「温水プール建設計画」に関しては、建設の事実について当時の建設省、国土交通省に時間をかけて取材を行っている。建設省によると、プールはもともと備蓄水槽であり、有効活用としてプールというアイデアはあったが、実際には建設には至らなかったというものであった。しかし、建設を部分的に行ったということが明らかになっていく。番組の終わりでは、「駅の道」「温水プール」から「役人のごまかし」「予算書の問題点」「官僚制の問題」に広がってしまい、テーマが拡散してしまったように思われる。同じ公共事業でも、「駅の道」は地方で地方自治体がからんでいる。一方の「温水プール」は中央で国会(議員)が関係している。よって、番組は2つに分けた方がよい。 3点
・論理性 「道の駅」によって、隣接する民間ドライブインの経営に悪影響がある(民業圧迫)とのことであったが、民間ドライブインが何年に設立され、道の駅は何年に設立されたのかという「歴史的な分析」が必要である。「道の駅」の経営状況については、県や市町村が行っているため、もう少し具体的なデータが入手できるのではないか。「道の駅」は現在、全国で649ヶ所あると言う。玉川氏は将来的に「1000いくのではないか」と発言されていた。その根拠は何なのか、論理的な説明が必要である。「温水プール」では、国会が事前にチェックすることができなかったのかということで、予算書と決算書についての説明があり、税金の使用を精査することはできない(それぞれ1行、3行)という指摘があった。米国のGAO(会計検査院)が参考になるのではないかというコメントがあったが、すでにこのことは枝野議員が所属している民主党で日本版GAOの創設を提言している。二番煎じ的なコメントではないか。 2点
・新奇性 農林水産省の補助事業であるという点に焦点を当てていること。「ウルグアイ・ラウンド対策費」が「道の駅」に使用されているとは思わなかった。農水省のインタビューでは「地域の農業の発展」「就業機会の確保」という目的に合致していれば、ウルグアイ・ラウンド対策費は「道の駅」にも使用可能とのことであった。欲を言えば、対策費全体の中でどのくらい額が「道の駅」に使用されているのか、データの表示がほしい。プール建設現場に直接カメラが入ったこと。また、定点的な取材をしたことである。現在、プールを建設しようとしていた所は、文書庫となっていた。番組の大部分を建設省、国土交通省へのインタビューにあてることによって、プールを途中建設したことを認めさせている。 5点
・広範性 「道の駅」への補助金は農林水産省だけではないので、他省への取材も望まれるところである。「道の駅」の事業は、県知事が決定するとのことであった。それならば、県への取材も必要であろう。また、「儲かっている所がある」との指摘があったが、具体的にどこなのかの提示もほしい。建設省に問い合わせをして、実際に地下水槽の現場を見た国会議員(枝野幸男)についての説明が必要である。建設官僚とテーブルをはさんでいたとき、枝野議員の隣にいたのは同議員の政策秘書であろう。誰がミーティングに参加していたのかの説明もほしいところである。 3点
・表現 玉川徹氏が、岐阜にある「道の駅」の屋上で「ああすごいね」という発言をされているが、粗野な印象を受けいただけない。岐阜県の地図がコンピュータ・グラフィクスで描かれていて見やすいが、岐阜県を「ローマ字」にする必要はない。国からのお金の流れ、県からのお金の流れのフローチャートがあれば、視聴者に啓蒙に役立つのではないか。「温水プール」では「高級官僚達が疲れたはねを癒すためのプールが」というナレーションがあったが、もしプールが建設されていれば、高級官僚以外の官僚も使用していたはずである。このナレーションは、高級官僚に対する偏見と受け取られても仕方のない表現だ。米国のGAOについては、コンピュータ・グラフィクスの表や図による説明が必要である。言葉だけではGAOのイメージが浮かばない。
2点
 
土井系祐
・構成 インタビューを受けた現場の方々を「無神経な輩」と斬り捨ててしまわずに、なぜそうなってしまったのかという点について、問題を掘り下げた方がよかったのではないか。特に徹底告発と言うなら、枝野議員と一緒に現場を周る後半では、行政より上の立場の政治家が、「書類を見てもわからない」とはっきりと発言しているのだから、個々の役人を責めるのではなく、日本システムそのものの欠陥について、深く掘り下げる必要があるのではないか。 2点
・論理性 「道の駅」がウルグアイ・ラウンド関連の補助金でもって作られており、民業圧迫となっている点、非常用備蓄水槽名目の霞ヶ関地下プールの存在が知れるや、文書保管庫となった点は、どちらもわかりやすかった。是非とも、このような杜撰な予算・決算システムの改善についても、専門家の話が聞きたかった。 4点
・新奇性 以前から「道の駅」にウルグアイ・ラウンド対策費が使われているということは知られている。しかし、以前に霞ヶ関地下にプールを作ろうとしていた話は、今回始めて知った。また、過去に疑惑になっていた件を再度調査している点は、非常に良いと思う。 4点
・広範性 「道の駅」の問題点を、北海道を除いて一番多いというのはわかるが、岐阜県の調査だけで言い切ってもよいのだろうか?また、現場の方々のインタビューはとっているが、県庁側の責任者の声はない。検査する側とされる側が同じ官庁である点が問題とされるなら、会計検査院の人の話も聞きたい。 2点
・表現 「道の駅」最後の方に、18時までやっている筈の「道の駅」が閉まっており、静まった暗闇の中に、ワルツの音楽がかかった宣伝用らしきテレビの映像が映っている。「シュール」という玉川ディレクター。映像的には非常に印象的な場面であるが、画面が切り替っても同じ音楽が流れており、少し演出過剰ではなかったか。また、「プール」の最初の方には、魚眼レンズを使って霞ヶ関のビルを映したりと無意味な映像があるが、中盤以降の建設現場で建設省担当者へと畳み掛けるところは見事。 3点
 
古川園智樹
・構成 国民の税金が無駄遣いされている例を詳しく紹介し、更に官僚のごまかしや無責任体制を糾弾しようというメッセージは明確だった。番組タイトルや、番組中何度も出てくる「国民の血税を無駄遣いするな!」というテロップからも、それは明らかである。具体例を細かく調べ上げ、その上で番組としてはっきり主張を打ち出したことは高く評価できると思う。ただ、その一方で、番組の前半(無駄な「道の駅」)と後半(霞ヶ関プール疑惑)のつながりはやや不自然だった。(税金無駄遣いの)数多くの事例のうちの2つというならわかるが、前後半を有機的に結びつければ、よりわかりやすい構成になったのではないかと思う。 4点
・論理性 高く評価したいのは、前後半それぞれの事例において、どこがおかしいのかを様々な手段(担当者とのやり取りや、証拠映像等)を駆使してはっきり示し、更に、そのポイントの言及に時間を割き、繰り返し指摘したことである。これにより、個々の問題点は十分理解できた。しかし、それらを総合して、番組全体として「だから税金は無駄遣いされている」とするのは、論理の飛躍を感じた。それよりも、個別の問題(事例)に対して、「なぜ問題が起きるのか」「解決策はないのか」を論じた方が、説得力が高まったという気がする。 3点
・新奇性 番組前半に取り上げられた「道の駅」は、全国に約650ヶ所もあるという。長野キャスターも言っていたが、特に都心部に住む人間にとっては必ずしも身近ではないこの施設に焦点を当てたのは、問題提起という意味で非常に有意義だと思う。後半の「プール疑惑」も同様で、これについては99年(世間でも騒がれた頃)当時の取材をもとに、この予算執行の結果を今改めて検証していて、過ぎたことは忘れがちな我々にとって貴重な情報となった。 4点
・広範性 個別の事例に関しては、多くの情報が提供された。それぞれの問題の関係者と思われる人物には、概ね取材がなされていると思う。しかし、番組全体の主旨が「税金の使われ方全般」にあるのであれば、もう少し、税金(の使途)の全体像が掴める情報が欲しかった。無駄になっているのが数十億、数百億と言われれば、絶対額としての多さはわかるが、仮に今回の2例が例外なのであれば、「税金が無駄に使われている」という説得力は低い。但し、番組の終盤で、毎年国会に提出される予算案や決算書等の仕組みを紹介したことで、若干の補完にはなっていた。 3点
・表現 音楽・カメラワーク・字幕(テロップ)がふんだんに使われていたが、総じて、(問題の深刻さを伝えるという)番組の目的に沿っていて、過剰ではないように感じた。個人的には、取材したディレクター(後半では枝野議員も)と取材先(道の駅担当者、国交省官僚)のやり取りがそのまま映し出されたことは、声や表情も伝わるという意味で、非常に参考になった。ただ、番組に都合がいいように編集された可能性(官僚が困っている部分のみ放送、等)もあり、議論は分かれると思う。 4点
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