番組検証結果 
スクープ21(2001年2月放送分)

番組名 番組タイトル 放送日 総合得点 備考
スクープ21 「自衛隊戦力」 2月25日 46/100点  

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・番組名 スクープ21(テレビ朝日、日曜日、19:00-20:00)
・番組タイトル 「自衛隊戦力」 2001年2月25日放送
・内容 世界第2位の国防予算を誇る日本の自衛隊。だがその戦力の実態を日本国民はほとんど知らない。陸、海、空各自衛隊に密着取材することで、極東最強の「軍隊」、自衛隊の現状を明らかにしている。
・総合得点 46点/100点
・構成 15点/25点
・論理性 11点/25点
・広範性 11点/25点
・演出 9点/25点
 
草野厚
・構成 日本の自衛隊は軍隊か。その実力は。野党民主党の代表が、自衛隊ではなく、軍隊だといい、政府は憲法9条との関係で、軍隊ではないという、その乖離を、実証検分するという構成。素材はアンケート調査と現場取材。わかりやすい。しかし、なぜ、自衛隊が驚くほど近代化されたかについての説明は不十分。予算の惰性だけでは説得力がない。この10年ほどのうちに配備された近代兵器は、冷戦終了前に計画されたもののはずだ。それに中国、ロシアの核保有国、中射程のミサイルをもつ北朝鮮の脅威についても説明がない。 2点
・論理性 前記目的を証明するために、アンケートで、日本の自衛隊のアジアでの実力を聞き、日本国民が、その実態を知らないことを証明した点はよかった。航空、海上、陸上の最新兵器の様子を公開したのもよく、他国との比較をしたのも説得力があった。特に、中国、ロシアの軍事力は、数字だけみると、海軍や空軍など日本より上だが、つかえない潜水艦、航空機も多く、日本の実力のほうが上というのが実際のところという説明もよい。 4点
・広範性 なぜ、軍備が増えたかの説明を、政府や防衛白書、政治学者などにより行うべきだった。統幕議長は察するところ、その点(軍備が増えた理由)を説明しているはずだが、ビデオでは、これからも元得縛議長としては、整備が必要と考えるというコメントがつかわれていた。全体として、無駄なカネをかけているという立場からの材料が多かった。批判論者の、こういうときに必ず出てくる前田哲夫教授のコメントは統幕議長に比べ長かった。 2点
・演出 F15Jとレインボーブリッジを比較したのはわかりやすいが、安易すぎる。であれば、繰り返すが、なぜ、近代化を進めたのかの説明が必要であった。イージス艦の内部の様子も、これほどのものが必要ですかというトーンが強かった。 2点
 
小野塚征志
・構成 自衛隊の戦力を徹底的に検証するという姿勢は明確だった。ただし、全体を通じて解説者の分析に依存している番組構成は否めない。それならば、独自に取材する必要があったのかという別な問題提起が成り立つ。 3点
・論理性 極東の中での日本の戦力を分析する際、範囲を明確に定義づけるなど、極めて論理的に分析がなされていたといえる。代表的な兵器に取材者が乗り込み、視聴者が性能を容易に理解できるような形で情報を提供したことは評価に値する。陸上戦力についてのみ、諸外国との数字の差異を明確にしなかったことは不可思議である。最後の部分で予算を消化するための戦力だという意見が唐突に出てきたことにも違和感を覚えた。 3点
・広範性 自衛隊という戦力を分析する際、極東の諸外国の戦力を数字で明確に提示し、比較の視点を設けたことは評価できる。自衛隊の規模、戦力についても、更なる整備をすべきだという意見と、縮減すべきだという意見の両論を紹介していた。アメリカに次いでという言葉が何度も登場していたので、それならばアメリカの数字もあげたほうがよかったと思われる。 4点
・演出 必要以上に音楽を使い、問題の重要性を意識させようという意図がうかがえた。文字の背後に旭日日章旗を使うなど、自衛隊を軍隊だと認識させたいのではないかと思えた。もし自衛隊は軍隊であると訴えたいのであれば、演出によって無意識に印象付けるような手法を使うべきではない。 2点
 
山本達也
・構成 自衛隊が持っている軍事力はどの位かを問うかたちで番組はスタートしているが、最終的に伝えたいメッセージは、これほど強大な軍隊は不必要ではないか、憲法9条を堅持する必要があり、その9条とかけ離れた存在である自衛隊は問題ではないかというものであったと思う。 4点
・論理性 データの利用はある。しかし、自衛隊の戦力を大解剖といいながら、各部隊で一番高い兵器を重点的に紹介し、値段の高さを強調するにとどまっている。コスト面、予算面から自衛隊は無駄だと訴えているようであるが、一方で純粋に軍事的な(安全保障的な)観点からの分析はほとんど皆無であった。自衛隊の存在意義を問うには、安全保障的な観点からの分析は不可欠だと思う。 1点
・広範性 ジャーナリスト、自衛隊員、軍事ジャーナリスト、元自衛官、反対派の教授などからコメントをとっている。単にコスト面からだけでなく、安全保障面から自衛隊の意義を考えることが出来るようなコメントを紹介する必要があったのではないか。また、ある程度スタジオのキャスターが一定の価値観のもとにコメントをしており、議論の方向付けをしている点も気になった(キャスターがそれぞれの価値観にもとづいて発言することは問題ではないと思うが)。 2点
・演出 値段を強調するような演出が強かったのではないだろうか。レインボーブリッジとの対比などの方法はやや疑問。 2点
 
大沼健太郎
・構成 国民の多くが知らない自衛隊という戦力の実態を、自衛隊に密着取材する事で明らかにしている。またその中で、極東最強の戦力を維持することの必要性、憲法9条との乖離について問題提起をしている。 4点
・論理性 自衛隊が極東最強の戦力ということをアピールしているが、韓国や中国、北朝鮮などの戦力は図で示されただけであり、どれだけ信憑性があるのか疑わしい。またなぜ核を除いた議論を展開するのか。イージス艦や戦車を「抑止力」と位置付けるのであれば、他国の核も「抑止力」と位置付けられるはずであり、同レベルの議論が展開できるのではないか。核も対象に加えれば、自衛隊が必ずしも極東最強の戦力と断言できるのか。 1点
・広範性 自衛隊と他の国の戦力を比較する際、コメントを田岡氏一人から集め、彼の議論をそのまま鵜呑みにしている点に大きな疑問を感じる。田岡氏以外にも何人かのコメントを集めていたが、全体としてバランスの取れた人選とは考えにくい。 2点
・演出 「自衛隊は軍隊である」「自衛隊は極東最強の戦力である」ということを視聴者の過剰にアピールしている傾向がある。具体的にはBGM、文字(テロップ)の大きさ、タイトルのバックの日の丸など。冷静に実態を把握し、分析するという姿勢に欠いていると指摘できるのではないか。 1点
 
戸田淳子
・構成 日本の自衛隊の戦力がいかにお金がかかっているかに注目した映像が多く、構成としては偏っている。 2点
・論理性 極端に「ここには〜億円使われている」といったような紹介が多く、実質同じ装備をしている他の国と比べて、コストが割高なのか、コスト面で、他の国と比較した情報がなかった。また、極東地域における戦力を比較したが、欧米との比較が無い限り、日本が世界戦力全体のどれぐらいを占めているのかわからなかった。 2点
・広範性 自衛隊の問題にはいろいろな問題点があり、ただ単に「軍隊かどうか議論のある自衛隊はこれほどお金のかかっている、実は世界2位の戦力である」という主張は短絡的すぎると思う。これは、単純化しすぎていて、視聴者を誤った見識へと誘導する可能性がある。かかっている費用だけではなく、たとえば国際協力の場でどれほど役立っているのか、など「効果」を紹介する必要があったのではないか。 1点
・演出 お金がかかっている、などを主張する場面が極端に多かったように思う。 2点
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