番組検証結果 
報道特集(TBS)
(2002年2月放送分)

番組名 番組タイトル 放送日 総合得点 備考
報道特集 「外相更迭の裏で何が?最新支持率」 2月3日 80点/125点 64
「卵子が若返る?!高齢妊娠の道も」 2月24日 90点/125点 72

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・番組名 報道特集(TBS、日曜日、17:30-18:24)
・番組タイトル 「外相更迭の裏で何が?最新支持率」 2002年2月3日放送
・内容
(番組HPより)
深夜の永田町を揺るがした田中真紀子外相の更迭。
「喧嘩両成敗」という小泉首相の決断の裏には「抵抗勢力」の
思惑も透けて見える。
週末のJNN世論調査で判明する注目の小泉内閣支持率など
合わせて、岐路にさしかかった政権の今後を探る。
・総合得点 80点/125点
・構成 17点/25点
・論理性 14点/25点
・新奇性 18点/25点
・広範性 15点/25点
・表現 16点/25点
 
草野厚
・構成 小泉内閣の支持率急落の原因となった田中真紀子外務大臣の更迭までの過程を検証し、その政治的影響をさぐるという目的は、一応達成されているが、VTR取材部分の作り方と、その後のスタジオトークがちぐはぐであった。VTR取材が更迭の原因の確証を紹介している一方、スタジオトークは、更迭すべきではなかったという流れだったからのように思う。 3点
・論理性 田中外相の更迭までのVTR素材を使った過程のフォローは、新たな情報も盛り込まれ、説得力があった。しかし、スタジオトークの根拠となった番組が実施した世論調査の使い方は、やや恣意的だった。支持政党なしの小泉内閣の支持率の減少が、一番大きく減ったといっているが、数字はマイナス32.0%であり、民主党支持者の支持率のマイナス29.9%とほとんど変わりがない。また前回調査の男性の支持率82.0%、女性の支持率84.6%が、それぞれ56.9%に54.0%減少したことを伝え、「特に女性が減りましたね」とコメントしたが、第三者には、ほとんど男女差はないように思えたが。 3点
・新奇性 真紀子外相が更迭されると同時に、辞職した野上次官と鈴木宗男代議士の接点が明らかにされた点が、興味深かった。湾岸戦争の際に、野上が中近東アフリカ局の参事官であり、鈴木がはじめての外務政務次官となったという情報である。また、田中外相が野上次官からの電話の内容をメモをしたというはずの、菅直人民主党幹事長からの申し入れ書は、電話があったよりも遅く、手渡されたことを、録画記録から明らかにしている点が、VTR取材の説得力を増した。この事実が、真紀子外相更迭の際の官邸の最大の根拠になったこともわかった。 4点
・広範性 真紀子外相の更迭について同情的であり、したがって小泉内閣の限界という観点からスタジオトークが展開されていたが、肝心の更迭の原因となった決定的な証拠がVTR取材で明らかになっているにもかかわらず、コメントがなかったのは、バランスという点から、如何にも偏っていた。 2点
・表現 最も気になったのは、後半のスタジオトークで用いられた世論調査の表の部分。前回の支持率はと述べながら、表の数字が変化しているのに、実施時期は、1月、つまり今回の調査時期を示したままであった。
3点
 
小野塚征志
・構成 田中外相が更迭されるまでの経緯をわかりやすく説明していたと思う。ハコモノの部分に限れば、理解しやすい構成だったと高く評価できる。しかし、残念ながら、スタジオでの議論とハコモノの内容がかみ合っていなかった。田中外相を更迭したタイミング、及びその背景に関する議論に絞っていれば、議論が散漫になることを防げたと思う。 3点
・論理性 なぜ田中外相はこのタイミングで更迭されたのか、その背景にはどういった要因があったのか、ということについては、論理的に分析されていた。説得力もあった。しかし、支持率の低下に関する議論については、疑問を覚える部分が多かった。例えば、小泉首相の対応が無責任だと指摘されていたが、仮に無責任であったとして、そのことと支持率低下はどのような関係があるのだろうか。そういった議論をするのであれば、根拠を示すべきだったと思う。 3点
・新奇性 「田中外相の証言の辻褄が合わないこと」については、新聞などでも報道されていたと思うが、その裏付けとなるVTRの存在は知らなかった。そのVTRを放送しただけでも、十分評価できる。また、過去の経緯に関する部分では、「100%の定理」など、非常に興味深い情報が紹介されていた。 5点
・広範性 過去の経緯を掘り下げて分析し、紹介したことは有益だった。また、支持率の低下に関連し、他の内閣との比較や公明党の位置付けに言及したことは評価できる。外相更迭の原因に関する分析については、1つの見方にこだわり過ぎたのではないかとも思えるが、全般的には多角的な分析がなされていた。 4点
・表現 菅民主党幹事長が申し入れ書を田中外相に提出した際のVTRについては、日時を示すことにより、リアルさが増したと思う。他方、イメージ映像を多用したことは評価できない。しかも、疑惑を感じさせるようなイメージ映像を利用する際、必ずといっていいほど、音楽が流れていた。疑惑という名の錯覚を生む表現技術だったのではないかと思う。また、過去と現在が入り乱れた説明だったので、年表などを用い、流れを一度整理していれば、わかりやすさもより高まったと思う。同様に各アクターの関係も図示していれば、理解しやすくなったのではないか。 2点
 
小峯弘靖
・構成 田中外相の更迭を時系列に追っている。首相が外相の更迭を決定したのは、衆院予算委員会での同外相による答弁の誤りがきっかけだったという。その点を番組では、「証言1」と「証言2」にまとめ、それらにつじつまが合わないことをカメラのタイムコードを示して表現していた。また、世論調査の結果も発表していた。「外相の更迭」と「世論調査」の両方を取り上げており、時間内でまとめるには少々無理があるのではないかという印象を持つ。 3点
・論理性 世論調査は、その結果の発表に終始していた。データの分析−例えば、小泉内閣への女性の支持率が減ったが、なぜ減ったのか−も必要である。連立与党である公明党が野党になる可能性がある旨の発言をされていたが、どうしてなのか説明が必要であろう。 3点
・新奇性 青木参議院議員の「100%の定理」の説明。このような定理があることがわかる。 3点
・広範性 野上外務省事務次官と鈴木宗男衆議院議員との関係が、10年前まで遡って述べられている。 3点
・表現 冒頭で、国会の本会議場から出ていく議員たちを「いっせいに議員が消えた」と表現しているが、中には普通に歩いていた人もいたので、大げさな表現ではないか。「証言1」と「証言2」のつじつまが合わないのを、カメラの「タイムコード」も入れて表現していたのは説得力がある。 4点
 
土井系祐
・構成 田中外相の答弁の辻褄が合わず、福田官房長官が更迭を迫るまでの国会裏での駆け引きについて、リアルに再現している。 4点
・論理性 スタジオでの最新支持率をめぐる話は、「公明党の小泉内閣支持率67.9%、決断について評価できない人67.9%。偶然だけども一緒」ということから「公明党がポイントだ」と述べるなど意味不明な発言がある。 3点
・新奇性 岡本行夫氏が、田中・鈴木の手打ちを画策したとか、田中・菅会談のタイムコードが入った映像など、日々の報道映像がふんだんに使われて再構成されている。 4点
・広範性 スタジオ内でのコメントは、一方的なものが多いように感じられる。国会記者が集めた材料を使って構成し直しているだけでなく、政治評論家・学者など交えて、解説した方が客観的で説得力あるものになるのではないか。 3点
・表現 21日の田中・菅会談のタイムコードが入った映像は圧巻。赤や黄色のテロップが多用されている。90年の湾岸戦争当時の映像など、次々と展開して映像がつながれており、スピード感があった。 4点
 
古川園智樹
・構成 小泉首相が田中外相を更迭した政治的な背景、小泉内閣への世論の反応、今後の政権運営の予想が説明された。田中外相更迭のインパクトが非常に大きかったということを明らかにしており、番組の趣旨は分かりやすい。 4点
・論理性 VTRは主に更迭の背景に関する説明であり、スタジオでのトークとの関連性が薄いように思われた。特に公明党が今後の政権運営の鍵を握るという説明は、政治に詳しい人が見れば納得が行くものかもしれないが、何も知らない人がこの番組だけを見たとしたら、それまでの番組の流れとは関連性がないために理解できないのではないだろうか。 2点
・新奇性 多くのニュース番組や新聞などで報道されたことをまとめただけに過ぎず、この番組独自の新しい情報は特には無かったように思われた。情報量、まとめ方共にニュース番組の特集と何ら変わらない。番組独自のインタビューなどがあれば良かったのではないだろうか。 2点
・広範性 小泉首相、福田官房長官、青木参院幹事長、鈴木議運委員長らがそれぞれどのような思惑で動いたのかが紹介されている。また、世論調査を取り上げることで、国民の反応も明らかにしている。しかし番組独自の情報は無い。最低限の情報は集めたものの、高い評価を与えるだけの質には達していない。 3点
・表現 田中元外相が菅氏からメモを受け取った時間を、テレビカメラの時間を用いることで証明したのは評価できる。また、支持率の下降をグラフを用いることで分かりやすく説明している。しかしその数字の読み方には疑問が残る。小泉内閣の支持率を男女別に示し、女性からの支持が特に大きく下がったという趣旨の発言があったが、その差はわずか数%であり、有意な差があるとは思えない。 3点
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・番組名 報道特集(TBS、日曜日、17:30-18:24)
・番組タイトル 「卵子が若返る?!高齢妊娠の道も」 2002年2月24日放送
・内容
(番組HPより)
高齢不妊の治療法になるかもしれない技術が開発された。若い女性の卵子を使って卵子そのものを若返らせるという方法で、自分とほぼ同じ遺伝情報を持つ子供を産むことが可能になる。その先端医療の意味と安全性、更には問題点を考える。
・総合得点 90点/125点
・構成 21点/25点
・論理性 17点/25点
・新奇性 18点/25点
・広範性 16点/25点
・表現 18点/25点
 
草野厚
・構成 短い時間でテーマをわかりやすく、問題点を含め提示している。卵子自身を若返らせることにより、子供はほしいが高齢になってしまったカップルに子供が授かる新技術を、実験を試みているクリニック、前提となる牛での実験、類似の米国での現状、異なる角度からの批判と、必要にして十分な情報があったと思う。法的に認められる日が近い、卵子の第三者による提供とは、二人の遺伝子が後世に残せるという点で異なるというメッセージも、番組からよく伝わった。
5点
・論理性 人への実験を試みようとしているクリニックでの新技術(核の一部を移植する)は、牛で実験済みであり、それが子牛が生まれるところまで同時進行的に報じられたのは、現状の説明としては秀逸であった。偶然が重なったのだろうが、もし、この同時進行ドキュメントがなかったなら、番組の奥行きはよほど浅くなっただろう最後の、安全性、倫理、透明性という問題点三つもなるほどと思わせた。 5点
・新奇性 だれでも感じる問題点が番組のもう一つのねらいだが、医学的、倫理的な角度からの批判は、これまた聞き応えがあった。説明が明快であったし、それを受けて、実験者の反論があったのも、数多く番組をみてきたが、珍しいといってよい。 5点
・広範性 センセーショナルに問題点が伝えられたために、行政が治療法に待ったをかけた米国での類似実験は、必ずしも加藤クリニックの実験とは同じではないと番組で伝えられた。この種の技術開発の多くが米国発であることを考えれば、新鮮な情報であった。 4点
・表現 顕微鏡での細胞核の抜き取りの現場や、エコーを使って牛の赤ん坊が母牛の体内で動き回っている様子は、テレビ映像ならではのリアルさである。音楽がほとんどなく、CGのバック音楽もおとなしくて、邪魔にならなかった。 4点
 
小野塚征志
・構成 高齢不妊の新たな治療法について、具体的な事例を紹介しつつ、論点を整理する構成は非常にわかりやすかった。ただし、「卵子が若返る」という題名には違和感を覚える。なぜなら、技術的には単なる核移植に過ぎず、若い卵子を使っているだけだからである。 4点
・論理性 技術的な問題、倫理的な問題、手続き上の問題を指摘し、論点を整理して検討したことは評価できる。特に技術的な問題については、論理的な説明がなされていた。しかし、臨床研究のあり方や実施に到るまでの手続きに関しては、不明確な点も多く、取材者に十分な知識があったのか、疑問を感じた。 4点
・新奇性 生殖医療ということでは、昨今話題になっていることもあり、多くのメディアが取り上げている。しかし、卵子の核移植に限れば、あまり報道されていないのではないか。特にテレビメディアで報道されることは珍しいと思う。 4点
・広範性 日本国内の事例だけではなく、海外の事例も紹介していた。また、技術的な問題だけではなく、倫理的な問題や手続き上の問題についても触れていた。そういったことを考えると、概ね広範性は確保されていたといえる。ただし、些か技術的な問題に重点を置き過ぎていたのではないか。生殖医療の場合、技術的なことよりも、倫理面で問題になることが多い。「借り腹」についても、倫理的な問題で意見が分かれている。したがって、生殖医療の一環である以上、倫理的な問題にもう少し多くの時間を割くべきだったと思う。 4点
・表現 卵子若返り実験の仕組みや卵子の遺伝子の構造を図示したことは有益だった。また、試験管での実験の模様について、実際の画像を表示していた。「細胞質注入法」などの用語については、補足的な説明を含めて、字幕で表示されていた。全般的に控え目な表現だったが、適宜図や字幕を用い、わかりやすさを高めていたといえる。 5点
 
小峯弘靖
・構成 高齢者出産に対処するために、牛を使った実験を通して卵子の中にある細胞質を若返らせる試み(細胞質注入法)を追った番組である。加藤レディスクリニックの動きと、同クリックと岩手大学農学部との共同プロジェクトを追い、前例としてアメリカ・ニュージャージ州の病院での細胞質注入法を実施結果について述べていた。さらに、細胞質注入法への疑問から東邦大学久保教授の説明と都立大学石井教授のインタビューも盛り込まれていた。細胞質注入法を支持する立場、そうでない立場の主張があり、バランスの取れた番組作りとなっていた。しかし、残念ながら最後に時間切れとなってしまい、中途半端な終わり方になっている。 4点
・論理性 細胞質注入法の課題点として、@安全性A倫理性B透明性と手続きを挙げていた。しかし、この3点は十分説明がなされていない。東邦大学久保教授の説明は、医療専門家以外の人が聞いた場合、わかりにくいのではないか。テロップやCGなどで細胞質注入法の疑問点を箇条書きにする必要があると思う。 2点
・新奇性 ニュージャージー州のクリニックの取材は「取って付けた」ような感が否めない。さらなる取材によって、新奇性が高まったのではないかと考える。 1点
・広範性 治療を受けたい側(すでに治療を受けた人も含む)の主張が聞きたいところである。倫理的な問題があるという説明は、今ひとつ説明がわかりにくい。 2点
・表現 柴田記者が時間内に的確な説明ができなかったのは、プロとして残念。 2点
 
土井系祐
・構成 加藤レディスクリニックによる高齢妊娠の新しい技術について、牛の臨床実験を紹介している。また、アメリカでの事例を紹介し、両親と卵子の細胞質を提供している女性の3名の遺伝子が引き継がれた例など、倫理的な問題もはらんでいる中で、進んでいる。 4点
・論理性 番組最後で、取材をした柴田記者が、フリップに1.安全性、2.倫理性、3.透明性と手続の問題があると述べているが、この番組では、3.については触れられていない。また、1.についても、2、3年後に判明するという。治療にどれだけの費用がかかるのか、倫理問題はどこで審議するのかなど、疑問点は数多い。 3点
・新奇性 実際に加藤レディスクリニックでの牛の受精卵の実験の様子、高齢な牛からとった卵子による、はじめての子牛出産の現場など、貴重な映像が多い。 5点
・広範性 二人の研究者の慎重な意見が加えられており、広範性は保っている。国の対応が、どのようになっているのか、その仕組みについても、説明の必要があるのではないか。 4点
・表現 加藤レディスクリニックと岩手大学との共同研究の様子など、貴重な映像を、情報開示をしている点は評価できるが、宣伝を伴っている面もあるのではないか。 3点
 
古川園智樹
・構成 不妊治療の最先端技術の一つである、卵子を若返らせる技術を紹介している。しかしこの技術の問題点として、安全性、倫理性、透明性及び手続きという3つを指摘している。技術が日々進化していく一方で、生命と倫理に関する議論が終わっていないことへの警鐘を鳴らしており、番組の主張は明確である。 4点
・論理性 生命と倫理に関する議論のための情報提供を行っているが、あくまでも一次的な情報提供にとどまっている感がある。つまり、どのような意見があるのか、世論はどう見ているのかといった論調の紹介がなかった。結果として、主張が浅いものになってしまっている。 3点
・新奇性 卵子を若返らせるという技術は新しい情報である。しかし番組が問題提起している「生命と倫理」という問題は、格別新しいものではなく、議論が滞っているものである。議論のための新たな材料を提供したという点では評価できるが、その切り口は従来のものと同じであり、新たな視点を提供して欲しかった。 3点
・広範性 新たな技術の紹介はしているが、「生命と倫理」という問題に関しては広い情報を集めているとは言えない。不妊に苦しんでいる人たちの声や、このような治療方法に反対する立場の人たち、行政、宗教界、知識人など様々な立場の意見を集めるべきであろう。 2点
・表現 卵子をどのようにして若返らせるかという最新技術を、CGや顕微鏡画面を駆使することで分かりやすく説明している点が評価できる。 4点
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