| ・番組名 |
報道特集(TBS、日曜日、17:30-18:24) |
| ・番組タイトル |
「”業際”の秘められた利権を追う」 2002年1月20日放送 |
・内容
(番組HPより) |
「業際都市開発研究所」の公共工事をめぐる不正事件。
秘書人脈をフルに利用した「口利き」システムの構図が
浮き彫りになってきた。仙台、山形と疑惑の舞台が広がる中、
“業際”の秘められた利権に迫る。 |
| ・総合得点 |
76点/125点 |
| ・構成 |
16点/25点 |
| ・論理性 |
15点/25点 |
| ・新奇性 |
18点/25点 |
| ・広範性 |
15点/25点 |
| ・表現 |
12点/25点 |
| |
| 草野厚 |
| ・構成 |
元政治家秘書(尾崎)前政治家秘書(佐藤)が公共事業の発注者である自治体を民間に紹介する(口利き)企業(業際)を作り、口利き料をとって、入札妨害をしたのではないか。口利き料として得たカネを隠しているのではないか。この点、特に前者を、いくつかの疑惑例をとりあげながら解明した番組は意義はあったが、素材を料理し切れていないように感じた。 |
3点 |
| ・論理性 |
主役は、政治家の秘書二人。ひとりは鹿野道彦代議士の元秘書、もう一人は、加藤紘一代議士の秘書。前者の実例は、石岡市コンピューター設備、仙台メディアテイク、仙台の交通新システムなど、後者では、山形の公立病院などが一例。入札情報などを流してカネを受領すれば、収賄罪に問われるが、私設秘書は対象外。元秘書も同様という法の合間について問題提起。こうしたスキャンダルが発生する土壌は、現在でも何も変わっていないことを、細川内閣成立前後の政治状況を紹介しながら示している。全体として主役が二人いるので難しい点は了としても、未整理な感じを受けた。特に、番組最後のほうで、細川内閣前後の政治状況を報じたのは、かえって全体としてわかりにくい感じを助長した。政治構造はなにも変わっていないということを述べたかったのであれば、大幅に時間を減らすことができたはずだ。 |
3点 |
| ・新奇性 |
番組が分析する仲介ビジネスの実態については、具体的には知られていなかったことも多く、新たな情報といってよかった。 |
3点 |
| ・広範性 |
個々のプロジェクトの関係者、与党や政府の発言など、広範囲であったが、最大の難点は、与党の責任者からのコメントがなかったところだ。政府の発言からすると、個人の犯罪という位置付けのようだが、自民党政治の構造問題であることは、後半の細川内閣前後の政治状況が説明していた。 |
3点 |
| ・表現 |
加藤紘一秘書の佐藤氏の写真はどのメディアも同じものを使っており、奇妙に感じた。
新たな映像は確保できなかったのだろうか。疑惑の渦中にあることを強調したかったのだろうが、サイズをズームをかけて拡大していったのは、やりすぎと感じた。
|
3点 |
| |
| 小野塚征志 |
| ・構成 |
取材の過程を追う形で番組が作られていたと思うが、全体の構図がわかりにくかった。冒頭で全体の構図を紹介すべきではなかったか。また、業際と加藤代議士の秘書の問題の両方を伝えていたわけだが、その関係性がわかりにくかった。 |
2点 |
| ・論理性 |
番組が提示していた各論拠には説得力があった。また、業際の秘められた利権については、十分掘り下げられた分析になっていた。しかし、何が論点なのかが不明確な分析になっていたと思う。特に加藤代議士の秘書の問題については、なぜ取り上げたのかさえわからない程度の内容だった。 |
3点 |
| ・新奇性 |
「業際」というテーマ自体に新しさは感じられないが、この番組独自の情報も少なくなかった。この番組が指摘した利権についても、他のメディアで指摘されてこなかったもののように思われる。 |
4点 |
| ・広範性 |
展開としてはわかりにくかったが、過去の経緯として細川政権移行の動きを紹介した意義は大きかった。わかりにくさを無視すれば、全般的に広範な情報が伝えられていたと思う。ただし、公平性には疑問が残る。渦中の人物に不利な情報ばかりが伝えられていたのではないだろうか。 |
3点 |
| ・表現 |
疑惑を覚えさせるような音楽が気になった。各アクターの関係を説明する際には、図示した方がわかりやすかったのではないか。同様に、細川政権誕生以降の歴史的経緯の説明に際しても、年表を使って説明した方がわかりやすかったと思う。 |
2点 |
| |
| 小峯弘靖 |
| ・構成 |
元国会議員秘書らによる違法な口利き−もう1つの利権を追うという番組であった。問題となっている業際都市開発研究所がどのような会社で、どの公共事業、自治体に関わっていたのか説明がなされている。また、新世代交通システム研究会とFITS計画についての説明もあった。政治家と秘書による口利きが、今も続いているということで90年代始めにあった政治家による収賄事件のレポートもあったが、逆に番組全体のメリハリを薄める印象がある。現在の違法口利きだけに焦点を当てるべきであった。 |
3点 |
| ・論理性 |
口利きにあたっては「議員の知名度を利用し」という説明であったが、具体的にどのように利用されていたのか説明がほしい。細川政権の成立については、番組のテーマとは直接関係がないため、削除してもいいのではないか。 |
3点 |
| ・新奇性 |
FITS計画と新世代交通システム研究会について。FITS計画の売りこみは、業際都市開発研究所がしていたという点。また、新世代交通システム研究会の仁杉会長のインタビューである。 |
4点 |
| ・広範性 |
問題となっているのは自民党に所属している政治家とその秘書であるように思われるが、自民以外の政党が今回の違法な口利きをどう思っているのか知りたいところである。 |
3点 |
| ・表現 |
加藤代議市の元の秘書である佐藤三郎氏の写真が白黒だけというのは、アナクロニズムを感じる。検察庁に入る被疑者の映像を写している位なのだから、佐藤氏の映像やカラーの写真があってもいい。カメラワークでビルや蛍光灯などを斜めに写しているシーンが度々あったが、無駄を感じる。BGMは必要ではない。 |
1点 |
| |
| 土井系祐 |
| ・構成 |
鹿野道彦代議士の元秘書の尾崎光郎容疑者が、公共事業への違法な仲介行為をしていた。この業際都市開発研究所は、公共工事の入札発注をめぐる疑惑があり、口利き疑惑は、加藤紘一元秘書の佐藤三郎氏にも連なる政界の問題として捉えている。 |
4点 |
| ・論理性 |
業際都市開発研究所の疑惑の数々はわかったが、なぜそうなってしまうのか、構造的な問題については、よくわからなかった。
|
3点 |
| ・新奇性 |
FITS計画という新世代交通システムの売り込みについて、かなり詳細に説明しており、この点は、始めて知った。 |
4点 |
| ・広範性 |
業際都市開発研究所の足跡を辿っており、疑惑は深められたが、業際側のインタビューなどがなかった。更に、国会議員の本音なども聞いてみたかった。 |
3点 |
| ・表現 |
カメラワークは、他の番組に比べて、本題とは関係のないシーンがたくさん使われている。霞ヶ関のビルの前でカラスが泣いているシーン、永田町という案内地図の看板などが大写しになっている。 |
3点 |
| |
| 古川園智樹 |
| ・構成 |
焦点は、「業際」の尾崎容疑者の疑惑。具体的にいくつかの事例(仙台の数例、茨城の新交通システムなど)をあげながら尾崎容疑者の手法を解説した上で、彼に関わりを持ったという首長や自民党加藤紘一議員元秘書の佐藤三郎氏にも言及する。良かったのは、後半で、「利権」や「政と官」の問題に焦点を移したこと。93年の金丸氏逮捕以来のこの問題の経緯をわかりやすくフォローし、現在につなげた。単なる容疑者批判に留まらなかったことで、この問題を考える助けになったと思う。 |
4点 |
| ・論理性 |
良し悪しは別として、特に番組としてのメッセージは感じなかったので、主張を論理的に支持できているかは検証できないが、番組全体を通しての流れ・展開はスムーズだった。特に、後半で、金丸氏逮捕から細川内閣誕生、鹿野氏の離党や政治資金規正法といった流れをうまく整理していたと思う。途中で計2度入った岩井日大教授のコメントも、ナレーション付きのVTRが連続する中で、ちょうど良いアクセントだった。 |
4点 |
| ・新奇性 |
ちょうどこの時期騒がれていたトピックだけに、当時の状況から見ても、新しい情報が盛り込まれていたかはわからないが、番組の切り口として、ありふれたものだったかも判断はできない。 |
3点 |
| ・広範性 |
この問題が騒がれている只中での取材だったであろうことを考えると、「業際」の疑惑の1つである「新交通システム」に関してのある自治体担当者へのインタビューや、同システムを開発したという研究会の会長となっていた元国鉄総裁へのインタビューは、評価できるのではないか。惜しまれるのは、せっかく番組の焦点を後半で「利権」そのものに移したのに、今一つ、この問題の全体像まで踏み込めなかったこと。但し、時間的な制約で、これはやむをえないと思った。 |
3点 |
| ・表現 |
特徴だと感じたのは、インタビュー映像における「字幕」の少なさ。「民放は字幕を多用する」というイメージがあるので、いざそれがなくなると逆に、集中していないと聞き漏らしてしまうことがあった。その他の映像や音楽でも、過剰なものはなかったと思う。 |
3点 |
| TOP↑ |
| ・番組名 |
報道特集(TBS、日曜日、17:30-18:24) |
| ・番組タイトル |
「検証!小泉郵政改革 その光と影」 2002年1月20日放送 |
・内容
(番組HPより) |
小泉改革、最大の目玉と言われる「郵政事業」問題。国営堅持を願う
自民党郵政族らの激しい反発の中、高い支持率を背景に一気に
国営郵政事業の“解体”を目論む小泉首相。
そこに落とし穴はないのか?国営化問題が抱える“光と影”を
半年間に渡って迫った。 |
| ・総合得点 |
62点/125点 |
| ・構成 |
13点/25点 |
| ・論理性 |
11点/25点 |
| ・新奇性 |
13点/25点 |
| ・広範性 |
11点/25点 |
| ・表現 |
14点/25点 |
| |
| 草野厚 |
| ・構成 |
郵政民営化論者の小泉首相が登場して俄かに現実味を帯びた郵政改革。郵政族の一人荒井広幸自民党代議士はじめ関係者への密着取材で、民営化論に落とし穴はないのかを検証。地域、永田町、ニュージーランドとややレベルの違う話が未整理のままに紹介されたという感じは拭いされない。
|
3点 |
| ・論理性 |
山間僻地に焦点をあわせ、民営化した場合のマイナス面を具体的に紹介点は評価できる(独居老人の安否を郵便局が毎日確認しているようすなど)。しかし、リタイアしたある特定郵便局長は、集票マシーンになっていることに嫌気がさしたというエピソードは、番組がまとめる落とし穴論を否定しかねない情報で、やや不釣合い。順番を変えるか、短くすべきだった。 |
3点 |
| ・新奇性 |
密着取材を含め、長期間の取材成果は、画面によく出ていた。リタイアした特定郵便局長のエピソードは、番組全体には、合わないと思ったが印象深い情報だった。 |
4点 |
| ・広範性 |
荒井代議士対小泉首相という構図なのでやむをえないが、小泉首相以外の民営化論者の声を聞きたかった。 |
3点 |
| ・表現 |
民営化先進国として各国に影響を与えたニュージーランドの失敗は重要である。もっと丁寧に、フリップなど使ってポイントを説明すべきだった。 |
3点 |
| |
| 小野塚征志 |
| ・構成 |
郵政事業民営化に関連するいくつかの論点が指摘され、新井議員の視点からの分析がなされていた。しかし、様々な論点の関係性は理解しにくかった。最後に郵政事業民営化に関する論点が整理されていたが、論点の整理は番組の冒頭で行った方がわかりやすかったのではないか。 |
2点 |
| ・論理性 |
全国の郵便局に占める特定郵便局の割合を紹介していたが、これは誤解を招く恐れがある。確かに特定郵便局の数は多いが、特定郵便局に勤める職員の数に比例しているわけではないからである。同様に、前島密氏と田中角栄氏を「新潟出身」ということだけで結びつける論理展開には問題がある。他にも、民営化すると地方の郵便局が合理化によって統廃合されるという説明など、十分な論拠のない解説が散見された。 |
1点 |
| ・新奇性 |
新井議員という名前自体に新しさを感じることはできたが、番組が指摘した様々な論点、展開した論理は、すべて今まで十分言い尽くされてきたことである。何1つ新しい情報がなかったといっても過言ではない。他方、今まで言い尽くされてきた論点を整理するような内容でもなかった。 |
1点 |
| ・広範性 |
郵政事業の全体像を理解できるような構成ではなかった。また、郵政事業の民営化に関連するすべての重要論点を把握できるような内容でもなかった。その上、選挙の問題を除けば、郵政事業の国営維持に肯定的な論理で埋め尽くされていた。番組の最後の部分で、財投は重要な問題であると指摘していたが、それであるのなら、なぜ財投の問題を取り上げなかったのか、大いに疑問を感じた。 |
1点 |
| ・表現 |
印象的な音楽は気になったが、特定の意図は感じられなかった。民放の番組であるにもかかわらず、全般的に演出が控え目だったように思う。特定郵便局長や特定郵便局長会の位置付けなどを説明する際には、図を用いた方がわかりやすかった。 |
3点 |
| |
| 小峯弘靖 |
| ・構成 |
郵政改革が今後どうなるのかを追った番組である。全国の郵便局の中で特定郵便局に焦点を当て、民営化が正しいのかを検証している。また、小泉首相の郵政民営化論に反対する荒井衆議院議員を長期に渡って取材しているところが、この番組の特徴である。 |
3点 |
| ・論理性 |
郵政の民営化に反対する大きな1つに「弱者対策」が挙げられていた。それに対する民営化支持派のインタビューや論理を説明する必要がある。ニュージーランドでは郵便局を民営化したために、国民がツケを払うことになったということであったが、具体的にどのくらい国民がツケを払うことになったのか。番組の終わりで「一番大きい問題は財政投融資ではないか」というコメントがあった。それならば、番組の中で財政投融資の問題点を説明すべきである。このコメントは、残念ながら番組の価値を自ら下げるものになった。 |
2点 |
| ・新奇性 |
地方における郵便局の活動。実際にサービスを提供する側、される側のインタビューを実施している。 |
4点 |
| ・広範性 |
財政投融資の問題点についても取り上げるべきである。 |
3点 |
| ・表現 |
「国民のための郵政公社をつくる会」にどのくらいの国会議員が参加しているのか、政党別の人数表の提示がほしい。 |
3点 |
| |
| 土井系祐 |
| ・構成 |
昨年高祖議員の不正問題を追及していた当番組で、今度は反対に、郵政民営化することよる問題点を、荒井広幸衆議院議員と一緒に取材している。郵政事業そのものは赤字ではないため、地方と都市の対立という方向へ議論が行くことを懸念する。小泉郵政改革の影が大きく取上げられている。 |
3点 |
| ・論理性 |
全体的には、郵政民営化反対派の荒井氏の主張に沿って取材されている。草文化運動のNGOを立ち上げた、静岡県清水町の松浦元郵便局長を取上げて、現在の民営化路線に反対するために、地域の特性を考え、文化を育む拠点として郵便局を考えるという動きを伝える。中途半端な印象。
|
3点 |
| ・新奇性 |
いままでに反対論者がいってきた立場を、確認した番組。 |
2点 |
| ・広範性 |
小泉郵政改革側の主張が取上げられておらず、かなり偏りがあった。切り捨てられるとされる農村山間部へ実際に行って取材しているが、一面的である。 |
2点 |
| ・表現 |
荒井衆議院議員にスポットが当たっており、スタジオで補足するために用意していたと思われるパネルも、きちんと説明することなく終わった。
|
3点 |
| |
| 古川園智樹 |
| ・構成 |
おそらく「このまま郵政民営化に進んでいいのか」という問題意識なのだと思うが、反対派の急先鋒である自民党の荒井議員を中心とする郵政族の動き、また、特定郵便局の「光」と「影」両方の事例を紹介している。一つ一つの情報や事例はわかりやすいが、全体として、何を目的とした番組かわからない。特定郵便局の実態紹介、政局の分析、民営化問題の論点整理など、いろいろな側面が垣間見えたが、いずれも中途半端である。 |
2点 |
| ・論理性 |
3つの特定郵便局が役所代わりの機能を果たしている村と、それに対する、「地域対策」という名の集票活動を強要する特定郵便局長会に嫌気が指したという元局長という具体的な2つの事例や、参院選直後の高祖議員辞任の経緯などの、それぞれの情報が有機的につながっていない。全体を通じ、「なぜそうなのか」と問うことがなかった。例えば、改革賛成派の元局長の「小泉改革で現場(各特定局)の個性が生かされるようになる」という発言を紹介しているが、なぜそうなるのかを番組として補足しないと、理解は進まないままである。 |
2点 |
| ・新奇性 |
特定局の具体的な事例を詳細に紹介したことは、意義があったと思う。ただ、2つの事例が全国の特定局をどの程度「代表」しているのか言及がないので、結局、特定局のイメージは持てずじまいになってしまう。また、これら2例及び荒井議員への取材以外の情報は目新しくなく、更に、論点整理もされていないという意味で、付加価値は低いと思う。 |
2点 |
| ・広範性 |
番組の方向性(目的)が何だったのかによるが、いずれにせよ、情報は不足していたと思う。例えば、郵政民営化を巡る勢力図を描くのであれば、少なくとも(小泉首相以外の)民営化賛成派を紹介すべきだし、論点を整理したいのであれば、断片的にポイントを紹介した後のスタジオで、メリット・デメリットを(フリップに)箇条書きで羅列するだけではまったく不十分だと思う。 |
2点 |
| ・表現 |
番組最後のスタジオの場面でのやり取りが無責任だった。番組全体を何となくまとめた上で、男性キャスターが「小泉さんは、具体的に話す必要がある」と言っていたが、いずれにしてもこの問題が話題になっているのだから、具体的に論点を整理する必要があるのは、報道番組も同じではないのか、と思ってしまった。 |
2点 |
| TOP↑ |