| ・番組名 |
報道特集(TBS、日曜日、18:00-19:00) |
| ・番組タイトル |
「悲劇の源…のろわれた中東の大地 」 2001年10月7日放送 |
| ・内容 |
イスラエル人とパレスチナ人の間に根深い問題を抱える中東。具体的なエピソードを多数紹介することで、その現状を明らかにしている。 |
| ・総合得点 |
70点/100点 |
| ・構成 |
21点/25点 |
| ・論理性 |
16点/25点 |
| ・広範性 |
18点/25点 |
| ・演出 |
15点/25点 |
| |
| 草野厚 |
| ・構成 |
9月11日の同時多発テロ事件を受けて、背後にあるイスラエルとパレスチナの長年の争いを、ハイビジョンで撮った美しい(皮肉なことだが)画像と、グレゴリオ聖歌などをアレンジした音楽でつづった感動的な作品。冒頭に紹介されるイザヤ書の一節、「主は国々の戦いを裁き、多くの民を戒める、彼らは剣を打ち直して鋤とし、槍を打ち直して鎌とする、国は国に向かって剣を上げず、もはや戦うことを学ばない」。にもかかわらず、イスラエルとパレスチナは聖地を巡り、50年以上も戦い、多くの犠牲者を出してきた。番組は、この戦いでの、米国の姿勢が同時多発テロの引き金になっているとの仮説をたてている。しかし、番組の中身は、パレスチナ、イスラエルの弱者に公平に焦点をあてた、戦いの空しさを描いている。 |
5点 |
| ・論理性 |
映像にできるだけ語らせようという姿勢に加えて、背景の音楽が美しいために、やや感情移入してみてしまうおそれを感じた。登場する人々の多くが、相手に対する憎悪を淡々と述べ、問題の深刻さを伝えている一方、インテリファーダがはじまる前は、イスラエルで、パレスチナ人が一定数働いていたことや、パレスチナの若者とユダヤ人がなかよく、暮らしているさまを伝えていて、これまた問題の複雑さを伝えていた。世界の国々が、なかなか問題解決のために、介入しにくいことが、このあたりからも、理解できた。 |
4点 |
| ・広範性 |
イスラエル、パレスチナの弱者の人々に焦点をあてていて、両政府の指導者クラスはあまり登場していない。しかし、番組の目的からすれば自然である。一般に、上位からみられがちなパレスチナ問題が、このような視点で、分析されたのは、とてもよかった。 |
5点 |
| ・演出 |
映像と音楽の美しさにやや感情的に、この番組をみてしまうおそれがあると先に書いたが、それにしても、よくできている。 |
5点 |
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| 小野塚征志 |
| ・構成 |
イスラエルとパレスチナの悲劇を映画のように伝え、感性で理解するという意味では、優れた構成だった。冒頭で全体像を把握できるような情報を伝えた方がよかったのではないか。 |
4点 |
| ・論理性 |
それはどういう悲劇の歴史なのか。それが何をもたらしているのか。それを感情的に理解できるという意味で、非常に説得力があった。また、適宜数値的データも紹介されていた。 |
4点 |
| ・広範性 |
テロの実態とその背景に関する情報は豊富だったが、イスラエル軍がパレスチナの人々を虐殺していることに関する情報は少なかった。また、全体像を把握できるような説明がなかった。イスラエルとパレスチナの関係だけではなく、周辺諸国との関係や、第二次世界大戦後の歴史的経緯など、最低限の基礎的な情報を伝えるべきではなかったか。 |
2点 |
| ・演出 |
画面のカット、背景の音楽、ナレーションの言葉(呪われた大地、史上最強の言葉等)、聖書の取り上げ方、字幕の文字など、いずれも印象的で、感慨深さを与えようという意図が感じられた。しかし、それも悲劇の実態を感情的に理解するための演出と考えるのであれば、有意義なものだったと捉えることも可能である。イスラエル、パレスチナなどの地理的関係を図で説明した方がわかりやすかったのではないか。 |
2点 |
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| 小峯弘靖 |
| ・構成 |
聖地をめぐるイスラエルとパレスチナ人双方の加害者、被害者(家族を含む)のインタビューで構成されている。編集されているとはいえ、彼らの肉声を聞ける構成は聖地を巡る問題の深さを知る上で大変参考になる。 |
5点 |
| ・論理性 |
紛争(戦争)がパレスチナ人に対し、経済的にどの程度の影響があったのかというデータの提示がほしい。構成はすばらしいが、米国当時多発テロ事件と番組で取り上げられたパレスチナ・イスラエル問題を関連づけさせるには、もう少しその背景についての説明が必要である。 |
3点 |
| ・広範性 |
インタビューが行われた場所を地図で提示してくれると、どこで何がおこったかの理解につながる。 |
3点 |
| ・演出 |
報道番組でありながら、BGMが流れる比率が高い。特に問題はないが、報道番組なので事実とその解釈、分析に重点をおきたいところである。 |
4点 |
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| 大沼健太郎 |
| ・構成 |
中東問題がなぜ解決しないのか、その理由を政治的なレベルではなく、民衆のレベルから見ることで明らかにしている。問題の根深さ、悲惨さを伝えようという番組のメッセージは明確に伝わる。 |
4点 |
| ・論理性 |
冷静な議論を展開するのではなく、悲惨な事例を多数紹介することで、番組の主張を意識として視聴者に訴えているが、感情論的な側面が強すぎるのではないだろうか。 |
2点 |
| ・広範性 |
イスラエル、パレスチナの片方にだけ肩入れするのではなく、両者から均等に多く情報を集めている点は評価できる。ただ、民衆レベルの視点から問題を捉えるにせよ、この番組で紹介された事例が全体像の中でどのように位置付けられるのかは不明確である。 |
3点 |
| ・演出 |
暗いBGMが多く、内容の悲惨さを煽っている感がある。 |
2点 |
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| 土井系祐 |
| ・構成 |
死海の風景とイスラムの祈りの声、旧約聖書のイザヤ書の引用。嘆きの壁の様子など、印象的な映像が続き、パレスチナ紛争の当事者たちが、ユダヤ教とイスラム教という一神教を奉じていることが浮き彫りになる。 |
3点 |
| ・論理性 |
イスラエル、パレスチナの両陣営が、憎しみの応酬を繰り返している様子はよくわかった。しかし、インタビューされた指導者たちも、持論を展開しているだけ。印象的な映像でつなげられているが、個々の出来事の寄せ集めになっている。
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3点 |
| ・広範性 |
ヒズボラ、ハマスの最高指導者、ユダヤ教最高指導者、シャロン首相ら両陣営指導者と自爆テロリストの両親、テロの被害者と、戦争被害者の両面を広範にインタビューされている。 |
5点 |
| ・演出 |
感傷的な音楽が流れ、悲惨なテロ現場の映像とダブルらせている。音楽が過剰に使われている印象が残った。最後の締めに、田丸キャスターが「ビンラディン氏一派を叩いたとしても、こうしたパレスチナ問題が解決されない限り、憎悪の芽が断ち切られない限り、テロはなくならないだろうと多くの専門家が指摘しています」とコメントしているが、どうしたら断ち切れるのか、また専門家とは誰なのか、不満が残った。 |
2点 |
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| ・番組名 |
報道特集(TBS、日曜日、18:00-19:00) |
| ・番組タイトル |
「安全宣言は大丈夫?狂牛病追跡」 2001年10月21日放送 |
| ・内容 |
日本にもついに上陸してしまった狂牛病。政府の狂牛病対策は後手に回っていたのではないか。「安全宣言」は本当に安全なのか。狂牛病問題の本質を問う。 |
| ・総合得点 |
67点/100点 |
| ・構成 |
20点/25点 |
| ・論理性 |
17点/25点 |
| ・広範性 |
15点/25点 |
| ・演出 |
15点/25点 |
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| 草野厚 |
| ・構成 |
9月の日本における狂牛病発生第一号を受けて、なぜ発生したのか、感染ルートは、農水省の対応に不十分な点があったのではないかなど、羊のスクレイピー病の日本上陸にまで遡って分析した見ごたえある作品。特に、スクレイピー病においても、狂牛病と同様の農水省の対応の不手際を、報道特集が放送しており、その素材を使うことによって、番組が一段と説得力をもった。 |
4点 |
| ・論理性 |
農水省はそもそも、狂牛病は日本にはありえないとの立場をとっており、そのことを証明するために、陰性データの蓄積が必要との通達を検査機関に出していた。その検査の過程で、第一号が発生したという皮肉な結果になった。こうした農水省の、状勢認識の甘さは、次の例からも明らかにされた。英国から輸入禁止にした96年以降も、イタリアやデンマークから肉骨粉を輸入しており、その原産地を確かめることもしなかった。狂牛病の感染ルートが多岐にわたる可能性を秘める理由である。以上の二例からもわかるように、多くの証言者にあたり、農水省の対応の不十分さを明らかにしていく。告発方の番組ではなく、狂牛病やスクレイピー病が未知の病気であり、それなりに農水省も対応策をとったことも伝えている。 |
4点 |
| ・広範性 |
できれば農水省の反論が、きちんと聞きたかった。もっとも、番組が使った公式の記者会見に登場した事務次官が辞任したことからすると、番組が指摘したこと(他のメディアや、政党もそうだが)は、間違っていなかったということになりそうだが。三菱総合研究所の研究員から、狂牛病が日本で広がる可能性について、冷静なコメントが聞けたのがよかった。 |
3点 |
| ・演出 |
狂牛病は、映像が少ないだけに、英国のものが繰り返し放映されるので、時として、オーバーに伝えられる可能性がある。その意味では、可も無く不可もなくといったところだろうか。 |
3点 |
| |
| 小野塚征志 |
| ・構成 |
狂牛病の実態を紹介した上で、日本において狂牛病が発生した原因を追求する番組の姿勢は明確だった。また、その原因が順次わかりやすく指摘されたため、何が問題であったのか、容易に理解することができた。狂牛病発生の原因については、一度整理した方がよりわかりやすくなったのではないか。 |
4点 |
| ・論理性 |
狂牛病の症状を具体的な画像を提示して紹介したことは有益だった。1996年の農林水産省の指導が行き届かなかった原因は明確にされていた。しかしながら、肉骨粉の輸入禁止が遅れた原因については、明らかにできていなかった。全般的には、羊のスクレイピー問題も含め、様々な原因を指摘し、説得力のある論理展開になっていた。 |
4点 |
| ・広範性 |
情報は豊富だった。また、様々な立場の人のインタビューが紹介されており、公平性も確保されていたといえる。とはいえ、農林水産省の政策上の失敗に原因があるのだとすれば、農林水産省の担当者へのインタビューにもう少し多くの時間を割くべきではなかったか。 |
4点 |
| ・演出 |
焦燥感を誘うような音楽が気になった。狂牛病の検査の仕組み、肉骨粉の製造方法など、図示して説明した方がよかったのではないか。取材日を明確にする字幕は適切だった。 |
3点 |
| |
| 小峯弘靖 |
| ・構成 |
日本で初めて狂牛病が確認された際に関係していた獣医、検査員、千葉県庁畜産課、動物衛生研究所、肉骨粉を製造する工場の機械オペレーター、国際獣疫事務局、飼育会社のインタビューをしたことは、関係したいた人たちの狂牛病に対する認識を知る上で役に立った。しかし、農水省の直接インタビューもあれば、申し分のない構成になっていただろう。。 |
4点 |
| ・論理性 |
羊のスクレイピーの指摘があったが、さらなる説明が望まれる。番組の最後のコメントで、個人が個人の判断によって気をつけなければならないという趣旨のコメントがあった。そうなれば行政の役割、意義について再考せざるを得ず、農水省の役割についてのコメントも必要である。 |
3点 |
| ・広範性 |
牛の病気について様々な症状があることがわかったが、例えばダウナー症など狂牛病以外の病気についての説明もほしい。 |
3点 |
| ・演出 |
最後のキャスター、記者のコメントは「早足」の感が否めず、もう少し落ち着いた分析とコメントがほしい。 |
3点 |
| |
| 大沼健太郎 |
| ・構成 |
後手に回った農水省の狂牛病対策の問題点、イギリス経由の肉骨粉だけでなく羊にも注目しなければいけない、などの問題提起をしようという番組の主張は明確である。 |
4点 |
| ・論理性 |
報告書などのデータを利用することで、議論展開への裏付けがなされている。ただし、この問題に「報道特集」が昔から注目していた、というある種の宣伝は論理展開から外れており、違和感を感じる。 |
3点 |
| ・広範性 |
狂牛病に詳しい獣医、肉骨粉を実際に使用していた畜産農家への取材は細かく行われているが、問題を指摘されている農水省への取材が必要なのではないか。 |
2点 |
| ・演出 |
特に問題となるような演出は見られなかった。 |
3点 |
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| 土井系祐 |
| ・構成 |
農林水産省による狂牛病への対応がいかに杜撰だったのかという点について、イギリスからの肉骨粉のルートと、異常プリオンの源であり日本では既に危険性がないとされてきた羊のスクレイピーの発生後の対処とその肉骨粉の扱いの杜撰さを報告。 |
4点 |
| ・論理性 |
イギリスからの肉骨粉のルートの問題は、他局の別の番組でも取上げられており、目新しいものではない。羊のスクレイピーの問題を、斎藤キャスターが85年の時点で報道していることは貴重だが、現在の狂牛病問題と絡めるのであれば、羊を使った肉骨粉の売買ルートなどの細かいデータが必要であり、「何があったかわからない」ということでは、不安をあおるだけになってしまっていないか。 |
3点 |
| ・広範性 |
農水省を取り巻く人々の話は、狂牛病判定の検査員、畜産農家、大学教授、自由党議員などに渡っているが、農水省のインタビューがない。 |
3点 |
| ・演出 |
映像上で、「4月16日付け」とか「10月18日」と表示しているが、時間の流れが前後しており、覚えられずに混乱する部分があった。時間軸による表などを示して貰えたらよかったのではないか。 |
3点 |
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