| ・番組名 |
クローズアップ現代(NHK、月−木、19:30-19:55) |
| ・番組タイトル |
「被害急増“090金融”」2002年10月29日放送 |
・内容
(番組HPより) |
携帯電話を使う新手のヤミ金融の被害が急増している。勧誘のチラシなどに「090」から始まる携帯電話の番号しか記さず、正体を明かさないまま違法な超高金利を課す業者の数は、福岡など西日本を中心に1000以上と言われる。不況の影響で生活が苦しいサラリーマンや零細企業の経営者たちが被害に遭っている。金のやりとりは車の中、業者は頻繁に携帯電話の番号を変えるので、警察の取り締まりも進まない。携帯を悪用する業者と、被害の実態を描く。 |
| ・総合得点 |
76点/125点 |
| ・構成 |
16点/25点 |
| ・論理性 |
15点/25点 |
| ・新奇性 |
13点/25点 |
| ・広範性 |
16点/25点 |
| ・表現 |
16点/25点 |
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| 草野厚 |
| ・構成 |
被害が急増している実態を紹介しようとしたのか、業者の巧妙な手口を説明しようとしたのか、被害者はどう対処すべきなのか、業者をなくすにはどうしたらよいのか等々、どこに焦点があるかよくわからなかった。 |
2点 |
| ・論理性 |
急増している実態は、それ以外の論点の前提となるものであり、この1年間で多いところで7倍にもなっているという説明はよくわかった。借り手が追い込まれていく過程は、製作者の最も力が入ったところであり、見応えがあった。にもかかわらず、構成で述べたように、本来の番組の趣旨は、被害者の対処方および、そうした業者を根絶やしにするには、どうしたらよいかを論議することだったと思う。しかし、その点については、スタジオゲストの弁護士だが、なんとも頼りなかった。そもそも違法なのだから、借り手は返済の義務は発生しないという説明は、その通りだとしても、実際に、借りて本人の周囲にも被害が及んでいることを考えると、迫力不足だった。業者をなくすには、どうしたらよいかの論点も、議論する時間がなかった。 |
3点 |
| ・新奇性 |
業者へのインタビューは興味深くみたが、よく、考えると、この人物が、本物の業者かどうかは、視聴者には説明していない。借り手に、携帯電話を購入させ、それを取り上げた貸し手は、料金不払いで使用中止となるまで使うとか、郵便局に講座を開設させて、カードをとりあげ、足がつかないように、カネを取り立てるなどの手法には、新たに知った事実が結構あった。 |
4点 |
| ・広範性 |
被害者、加害者(業者)については、比較的わかりやすく、実態を明らかしているのに対して、救済措置を考えなければならない政府や与党の声を是非聞くべきだった。神奈川県警の担当者の、公式的見解だけでは、不十分。 |
2点 |
| ・表現 |
業者の行っている行為は違法であるとされており、これまでもいわれてきた。その具体的中身を、番組で法律違反だというなら、スタジオ解説は、ゲストの弁護士に任せるだけでなく、行政側にも説明させるべきだったと思う。
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3点 |
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| 小野塚征志 |
| ・構成 |
「090金融」のシステムは明らかにされていたが、違法行為の範囲が不明確だった。法律の名称を示すことよりも、どこまでが適法の範囲で、どこからが違法といえるのか、境界線を明確にする必要があったと思われる。 |
2点 |
| ・論理性 |
自己破産の申し立て件数の推移など、具体的な数値が示されたことは評価できる。しかし、全般的に論理が単純で、感情的な意見が目立った。「090金融」の違法性を訴え、警察が取締りを強化しても、問題を根本的に解決することはできないと思われる。 |
2点 |
| ・新奇性 |
「090金融」だけに焦点を絞って、取材を行った番組は珍しいと思われる。しかし、闇金融全般を問題として取り上げる番組は多い。どの番組も、業者の違法性を訴える内容である。したがって、その点からすれば、ほとんど新奇性を感じられない内容だったといえる。 |
2点 |
| ・広範性 |
複数の事例を紹介し、利用者だけではなく、業者や警察官にも取材を行ったことは評価できる。然りながら、「業者=加害者=悪者」「利用者=被害者=善者」という構造の単純化が図られていたことは否めない。実際には、誰も「090金融」を利用しなければ、問題は発生しないわけであり、利用者に問題がないとはいえないはずである。 |
2点 |
| ・表現 |
危険性を感じさせる音楽・イメージ映像が多用されたことは気になった。「090金融」の手法・システムが図式化され、理解が容易になった。 |
3点 |
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| 小峯弘靖 |
| ・構成 |
携帯電話を使うヤミ金融(いわゆる090金融)の実態を追う番組である。090金融の概要、被害の内容、業者の実態、そして被害に対する対策についてまとめられていた。被害については、実際にヤミ金融を利用した40代の女性(福岡)と男性(大阪)に取材を行い、具体的な内容がわかる。また、被害に会った人達を対象とした相談所や弁護士への取材、そして業者や福岡県警への取材を通して、090金融の中身がかなりわかるようになっている。ただ、番組の後半に出てくるヤミ金融に対する対策については、もっとゆっくりと時間を取りながら説明をするべきであった。 |
4点 |
| ・論理性 |
090金融は自治体に登録していないので「貸金業法」違反であり、その高金利は「出資法」違反にあたるという説明であった。そうであるならば、どの法律のどの部分に抵触しているのか、具体的な条分の提示が必要である。このことは、視聴者に対する法律へのリテラシーの向上につながる。090金融業者の実態が把握できない理由として、他人名義の携帯電話を使う(飛ばし携帯)、カネを貸す場所が自動車の駐車場など特定の事務所でない、借り手の印鑑と郵便局の通帳を預かり、借り手にはカードだけを持たせることでカネの出し入れを同一人物がしたようにみせかけるという点が挙げられていた。 |
3点 |
| ・新奇性 |
090金融は福岡県が多いという。なぜなのか、その理由が知りたいところである。業者がグループで動き、借り手リストを作っているという点。業者は互いに情報交換を行い、カネを返せそうな個人に対して集中して責めるという。業者もITを使い、フラット化しているという表れなのであろうか。 |
3点 |
| ・広範性 |
スタジオに出られていた木村達也弁護士からの対策。まずは警察(生活経済課あるいは生活安全課)に被害届けを出し、証拠として、業者とのやりとりの電話を録音したり、業者の出すビラを集めることだという。また、業者が乗っている車のナンバーを控えておくのがよいとのことであった。これらの対策については、箇条書きにして提示する必要があったのではないか思う。 |
4点 |
| ・表現 |
「自己破産の申し立て件数」「090金融相談件数」のグラフや「返済の仕組み」のCGは、わかりやすい。しかし,被害の状況が描写されているシーンで流れていたおどろおどろしいBGMは、不必要だと考える。 |
3点 |
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| 土井系祐 |
| ・構成 |
被害者の話から入って恐ろしい状況を示し、破産者のデータなど全体の割合の増加状況など客観的なデータを示し、このような取り立てが「貸金業法違反」「出資法違反」という法律を破っている犯罪である点を説明している。また、悪徳金融業者が、決して証拠を残さずに、被害者を追い詰めて行き、警察へ通報しにくいようにしている手口も示しており、自己防衛の方法なども啓発している。 |
4点 |
| ・論理性 |
携帯電話で5万円という非常に低いハードルの貸付から始まって、真面目にお金を返していこうとする被害者に付け込んで、被害者のみならず関係者の生活を潰していく手口が、事細かに説明されており、よくわかった。 |
5点 |
| ・新奇性 |
闇金融の話は、比較的騒がれている内容であり、他の番組でも被害者を救済する組織などの紹介がなされている。"090金融"という携帯電話を使った手法のみに絞った点が目新しい。 |
2点 |
| ・広範性 |
被害者、加害者(高利貸)、警察(生活経済課)、弁護士と、十分に取材されており、実態が克明に理解できる。 |
5点 |
| ・表現 |
データはCG処理をしており、わかりやすさに工夫がされている。またイメージ映像や音声を変えてしている加害者の取材など、広範囲な取材を可能とした表現方法を選んでいる。 |
4点 |
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| 古川園智樹 |
| ・構成 |
前半部分では、090金融の被害の実態を福岡のある主婦を事例にして、明らかにしている。途中のスタジオ部分で、もう一度被害の実態を説明している。後半部分では、090金融業者の実態を、ある業者へのインタビューから明らかにしている。最後に、その対策をいくつか提案している。冒頭でのスタジオでの説明が若干長かったが、借り手と貸し手の両面から明らかにする構成はかなりわかりやすい。
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4点 |
| ・論理性 |
前半部分の被害の実態に関しては、全体像をさぐるために自己破産者の総人数を出しているが、これは不景気と関係あることで、090金融とは直接関係無いであろう。後半部分の業者の実態に関しては、実態がわかりにくいのを、何とか業者からのインタビューを基に具体的に明らかにしている。全体像がわからないのであれば、そう伝えるべきである。論理的に問題があろう。
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2点 |
| ・新奇性 |
前半部分の被害の実態に関しては、よく知られている情報しかない。高金利のために借金が雪ダルマ式に増えていき、そのためにまた借金をしてしまうという悪循環である。後半部分の業者の実態に関しても、かなり良く知られている情報ばばかりである。多重債務者に関しては、業者の間でリストが出回っているのもよく知られている事実であり、予想されていることでもある。新奇性は低いと言わざるをえない。
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2点 |
| ・広範性 |
前半部分の被害の実態に関しては、全体像を探るために自己破産者の数を出したり、インタビューから様々な情報を引き出したりしている。後半部分に関しても、2人の業者から様々な情報を引き出して、その実態を明らかにしている。090金融が違法なものなので、全体像が不明なのは仕方ないことであろう。番組として一応のレベルの情報の広範さを保っており、問題は特に感じられない。
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3点 |
| ・表現 |
前半部分で、被害の実態を伝えるために、実際にどうやってお金を貸しているのかをイメージ映像で伝えており、わかりやすい。ただし、音楽がクローズアップにしてはややおどろおどろしい。わざわざ画面左下に「イメージ映像」という文字を入れており、視聴者にとって親切である。これは後半部分でも同様に「イメージ映像」という文字を入れており、親切である。またグラフを使用してわかりやすくしている場面がいくつかある。しかし、スタジオでの話がやや長く、その部分がわかりにくい。
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3点 |
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