| ・番組名 |
クローズアップ現代(NHK、月−木、19:30-19:55) |
| ・番組タイトル |
「元秘書”口利き”ビジネス 〜備忘録が語る実態」
2002年2月7日放送 |
・内容
(番組HPより) |
公共工事の入札の裏で暗躍する国会議員の元秘書の姿が明らかになってきた。
茨城県石岡市の公共工事をめぐる汚職事件で逮捕された尾崎光郎元秘書。
彼が記録していた備忘録(業務日誌)には、自治体に対する“口利き”の内容が、こと細かに記されていた。
国会議員の元秘書がなぜ、ここまでの影響力を持つようになったのか。ゼネコン汚職以降、各地に広がる元秘書の“口利きビジネス”の実態に迫る。 |
| ・総合得点 |
81点/125点 |
| ・構成 |
18点/25点 |
| ・論理性 |
16点/25点 |
| ・新奇性 |
17点/25点 |
| ・広範性 |
16点/25点 |
| ・表現 |
14点/25点 |
| |
| 草野厚 |
| ・構成 |
業者、政治家、自治体の間に入って、口利きを行う逮捕された政治家元秘書に焦点をあてる。ゼネコン汚職後、業者間の調整が不可能になったため、こうしたビジネスが生まれたという。口先ビジネスは、人脈のある国会議員の元秘書という肩書きで、情報が入るので可能となる。他方、競争のなかでなんとか受注したい企業は、口利きビジネスを当たり前のように利用する。一般競争入札ではなく、特定の業者間の指名競争入札が中心の公共事業の入札方法も、口利きビジネスを可能にしていることがわかった。しかし、論理性で触れるが、要は、斡旋の見返りとして金銭の授受があるかないかが問題なのであり、そのもっとも重要な点が、はっきりしなかった。 |
3点 |
| ・論理性 |
460億円の病院等巨大ビジネスをめぐる、入札談合の経緯が明らかにされ、元秘書尾崎の果たした役割(受注業者以外の業者に受注を諦めるようにせまった)によって、6000万円の報酬を受け取ったことなどがわかった。その結果、尾崎は逮捕された。ただ、後半の元秘書へのインタビューは極めて重要だが、最後の記者の説明まで聞かないと、尾崎との差がよくわからなかった。インタビューに応じた元秘書の場合、口利きビジネスではあれ、賄賂や、予定価格を教えていないので、違法性はないからである。 |
2点 |
| ・新奇性 |
一般的に存在するらしい口利きビジネスの実態を、当事者を登場させて、詳しく説明させたのは、新鮮だった。 |
3点 |
| ・広範性 |
取材に応じた人物が、企業から手数料を受け取って行う口利きビジネス一般と、尾崎元秘書の境目について、専門家(法律家)によって、きちんと説明するべきではなかったか。やや、取材が、元秘書に偏りすぎた感がする。 |
3点 |
| ・表現 |
尾崎元秘書が、ばらまいていたカネについてのメモを備忘録と読んでいたが、なぜほとんど使われない備忘録という言葉を使ったのかよくわからない。わかりにくい言葉を使うと、見ているほうが混乱する。首のない映像が長く続きすぎて、疲れた。なにか別の方法はなかったか。
|
2点 |
| |
| 小野塚征志 |
| ・構成 |
番組冒頭で問題点を指摘し、その具体例を紹介しながら、構造を明らかにしていく構成は単純でわかりやすいといえる。しかし、「口利き」の構造自体がわかりにくいことを考えると、その俯瞰的な全体像を番組冒頭で説明した方が、よりわかりやすくなったと思う。 |
4点 |
| ・論理性 |
「口利き」がどのように行われているのか、なぜ国会議員の元秘書が「口利き」ビジネスに手を染めやすいのか、番組冒頭で指摘されていた論点には十分答えた内容だったと思う。しかしながら、問題を掘り下げて考えられていたとはいえない。「口利き」にかかわることで、元秘書や業者が利益を得ることはわかったが、役所側のメリットがわかりにくい。人脈という点では、元官僚も「口利き」を行えるだけの資質があると思うが、なぜ元秘書が「口利き」を行うケースが多いのか、明示的ではなかった。 |
3点 |
| ・新奇性 |
「口利き」の構造自体は、既に様々なメディアで報道されていたので、情報自体に新しさを感じることはなかった。ただし、元秘書が「口利き」を行っているときの映像を放映したテレビ番組はあまりなかったと思う。実態をリアルに伝えるという点で非常に有益な映像だったと思う。 |
4点 |
| ・広範性 |
複数の元秘書の「口利き」ビジネスを紹介することで、一定の広範性を確保していたと思う。しかし、問題の構造を単純化した論調が気になった。例えば、問題が発生する背景として、一般競争入札を導入した官公庁が少ないことを指摘していたが、一般競争入札の問題点には一切触れなかった。入札制度に詳しくない視聴者は、一般競争入札を導入しないことが問題であるかのように受け取ってしまった可能性があるのではないか。 |
2点 |
| ・表現 |
「口利き」ビジネスの構造をCGで説明することで、理解が容易になったと思う。しかし、イメージ映像(及びスローモーションの映像)と、疑惑を感じさせるような音楽が同時に使われる演出手法は気になった。特に尾崎容疑者の備忘録はイメージ映像だったが、そこに書かれた文字も紹介されていた。備忘録の表紙がイメージ映像である以上、そこに書かれた文字もイメージ映像であることが推察される。しかも、ノートであったのにもかかわらず、プリントアウトされた文字だった。ところが、固有名詞などが記載された部分だけ、「いかにも」という感じで黒く塗りつぶされ、わからなくなっていたのである。イメージ映像であるのなら、わざわざ黒く塗りつぶさなくても、最初から隠すことが可能なはずである。にもかかわらず、「いかにも」という感じで黒く塗りつぶしたからには、それをイメージ映像ではなく、本物の備忘録だと思わせたいという意図があったのではないかと思う。 |
2点 |
| |
| 小峯弘靖 |
| ・構成 |
元秘書が16冊の備忘録に残していた克明な記録を元に、公共事業にからむ「口利き」ビジネスの実態に迫っている。備忘録が詳しいため、具体的な口利きの事例がよくわかる。元秘書の事務所への取材も行っており、口利きビジネスに何か特別な技能、才覚が必要なのかと思っていたが、人脈、すなわち人とのつながりが唯一重要であるということがわかり、逆にあまりに誰でもできることがビジネスになっている事実に驚愕した。 |
4点 |
| ・論理性 |
元秘書による口利きビジネスが、平成5年のゼネコン汚職がきっかけという説明があった。時間の制約はあるとは思うが、番組の中で平成5年の汚職についての説明もほしいところである。 |
3点 |
| ・新奇性 |
元国会議員秘書の事務所への取材。これによって、口利きでビジネスが成立するという実際を知る。それ以外に新奇性を感じる所はなかった。 |
3点 |
| ・広範性 |
国会議員の秘書が役所の人事に関するはたらきかけをしている事例が取り上げられていた。なぜそのようなことが可能なのか、地方公務員の人事制度の実態に関する取材も必要なのではないか。 |
3点 |
| ・表現 |
特に問題と思われる表現はなかった。NHKらしく「手堅い」番組作りを行っているが、優等生的な作りであるがゆえに、見ていて残念ながら退屈さを感じた。表現でもう少し、工夫をする必要があるかと思う。コンピュータ・グラフィックスによる日本地図は見やすい。 |
3点 |
| |
| 土井系祐 |
| ・構成 |
B5版ノート16冊にもなる備忘録からわかった地方自治体と元秘書との繋がり。平成5年のゼネコン汚職、談合禁止の法律によって、公共事業の仕組みが変わり、"口利き"ビジネスがはびこることになったのがよくわかる。 |
4点 |
| ・論理性 |
茨城県、山形県などの事例は、実際にどのような案件で行われていたのかということまで触れておりわかりやすく、背景となっている人脈についても事例を挙げており明白だった。
|
4点 |
| ・新奇性 |
新聞で報道されているものをわかりやすくまとめている。永田町にある元秘書の事務所の取材によって、更に具体的に認識できた。国会議員の秘書は、地方自治体にも影響を及ぼし、人脈形成は何十年もの歳月で培われている様子もわかる。 |
3点 |
| ・広範性 |
公共事業の開発案件、融資案件の情報がいち早く入る元秘書の人脈というのは、利権の配分を調整する装置として働いていることがわかった。時間的に困難なことはわかるが、一般競争入札の新しいやり方など、以前にこの番組でも紹介した横須賀市の事例などを取上げて、改善を促すようなことも必要では。 |
4点 |
| ・表現 |
CGによるパネルの説明で、平成5年を境に、ゼネコンの仕切り役からコンサルタント役となった元秘書へと公共事業入札の調整機能が交代したことがよくわかった。元秘書の一人に取材した映像の中に、元秘書から町長へ「お土産頼みますよ」と携帯電話をかけている映像があり、非常にリアルだった。
|
4点 |
| |
| 古川園智樹 |
| ・構成 |
議院元秘書による口利きビジネスが一体どのようなものなのかが分かりやすく説明されていた。ただし、このような問題が起きてしまう背景に関しては言及が弱く、問題を解決する処方箋といったものは提示されていない。結果として、単なる情報紹介に終わってしまったのは残念である。 |
3点 |
| ・論理性 |
尾崎元秘書が関連する事件のみから一般化を図るのではなく、番組の前半と後半で異なる事例を用いたため、口利きビジネスの全体像を把握するための説得力が増した。また、何が違法で何が合法なのかが不明確なまま番組を見ていたが、この疑問は国谷氏が番組最後に取材記者に質問する形で快勝された。 |
4点 |
| ・新奇性 |
「口利きビジネス」とはよく耳にする言葉だが、その実態は必ずしも正確に理解していなかった。しかしこの番組では備忘録やインタビューを駆使することで、その全体像と実態を明らかにしている。今までイメージだけで語られてきた問題を、具体的に明らかにしたという点で高く評価できよう。 |
4点 |
| ・広範性 |
備忘録及び関係者へのインタビューという異なるタイプの情報源を広く用いている点が高く評価できる。また元秘書だけでなく、口利きを依頼する業者へのインタビューも行っており、広い情報を元に番組を作っているという印象を受けた。口利きを受ける側である行政担当者や、秘書の権力の背景となっている国会議員からの情報も得られればさらに良かった。 |
4点 |
| ・表現 |
備忘録の映像が何度も出てくるが、わざわざ照明を暗くして映す必要性を感じない。また、この備忘録は本物なのかどうかも気になった。一方で、スタジオでのトークで用いたフリップは分かりやすかった。 |
3点 |
| TOP↑ |
| ・番組名 |
クローズアップ現代(NHK、月−木、19:30-19:55) |
| ・番組タイトル |
「ワークシェアリングで雇用を〜オランダ」
2002年2月25日放送 |
・内容
(番組HPより) |
失業率が上昇する中で、「ワークシェアリング」が注目を集めている。
大手企業が相次いで、解雇者を減らす有効な策として導入を検討し始めた。
「ワークシェリング」の最先端をいく国として、日本の関係者の注目を集めている国がオランダである。オランダは、パートタイム制度の積極的な導入や、パートとフルタイム雇用の賃金の格差を無くすなどの諸施策の整備で「ワークシェアリング」を根付かせた。その結果、80年代には10%台だった失業率は2%にまで減った。
オランダの「ワークシェアリング」をルポし、そこから日本は何を学ぶべきか考える。 |
| ・総合得点 |
62点/125点 |
| ・構成 |
14点/25点 |
| ・論理性 |
9点/25点 |
| ・新奇性 |
16点/25点 |
| ・広範性 |
9点/25点 |
| ・表現 |
14点/25点 |
| |
| 草野厚 |
| ・構成 |
オランダのワークシェアリングの現状と、「成功」の様子は、具体例からもある程度わかった。導入された歴史的背景も説明されていて、立体的にこのテーマをわからせようと意図はわかった。しかし、短所についてほとんと触れられておらず、導入が始まった日本へのヒントということで放送するのなら、日本のワークシェアリングについても、より丁寧な説明が必要であった。 |
2点 |
| ・論理性 |
ワークシェアリングの結果、余暇が増えて、家族とより密接なコミニケーションが取れるようになったなどという長所は、現在の日本人の主たる関心事ではないだろう。後半で漸く出てくる、この試みで、どの程度賃金が下がるのか、企業にとってのメリットはなどについて、もっと時間を割かないと、オランダの例をきちんと伝えたとは言えないと思われる。 |
2点 |
| ・新奇性 |
ワークシェアリングで働いている人の生の声を聞いたことは、日本人一般からすると、あまりないのではないだろうか。そのような点から、オランダの複数の例を紹介し、なにより、フルタイマーとパートタイマーで待遇が全く違わないというような新しい情報を提供したのはよかった。 |
4点 |
| ・広範性 |
最大の欠点は、番組を見ると、オランダの人々は、みんなワークシェアリングを好意的にみている感じがする。反対論や、批判はあるだろうに、なぜ伝えなかったのか。もし、賛成論が大半であるというのなら、そのような証拠を提示すべきであった。 |
2点 |
| ・表現 |
労使関係が大変に緊張していた時期があったとして、ビルから飛び降りる若者や、火に包まれた自動車などが、いきなり出てきたのは、やや違和感があった。オランダ全体で、沸くシェアリングがどの程度普及しているのかについて、より視聴者の目や耳に残る説明がほしかった。 |
3点 |
| |
| 小野塚征志 |
| ・構成 |
各事例の位置付けがはっきりしていた。ワークシェアリングを導入する上でのメリットとデメリットが具体的に指摘されていた。また、オランダでの導入プロセスを紹介することで、導入する際のポイントもはっきりしたと思う。ただし、テーマが若干不明確だったように思う。オランダのワークシェアリングを紹介するのか、日本における雇用対策の一環としてワークシェアリングを検討するのか、いずれか一方にテーマを絞った方がわかりやすかったのではないか。 |
3点 |
| ・論理性 |
この番組を見ていると、ワークシェアリングを導入することで生じるメリットは、そのデメリットを大きく上回るかのように思えてくる。しかし、それは重大なデメリットを隠しているからである。1つは、投入される公的資金である。ワークシェアリングを導入することで、仮に失業率が低下したとしても、多額の公的資金を投入するのであれば、景気対策で公共投資を行うことと基本的に同じである。また、一見すると、フルタイマーとパートタイマーが平等の賃金保障を得られたかのように思えるが、社会保険料の支払いなどを加味して考えれば、実質的にフルタイマーがパートタイマーの雇用を保証するシステムといえる。あるいは、労働者はフルタイマーとパートタイマーを選ぶ権利が保障されていると述べられていたが、多くの労働者がフルタイマーを望んだ場合、どのようなことになるのだろうか。実際、同じようなシステムを日本に導入した場合、現在雇用されている多くの労働者は、賃金が減少することを恐れ、フルタイマーを希望すると思われるが、その点は一切触れられていなかった。 |
1点 |
| ・新奇性 |
ワークシェアリングというテーマ自体は、あまり新しいとはいえない。また、ワークシェアリングの先進事例として、オランダを選ぶことも珍しいとはいえない。しかし、テレビ番組でオランダのワークシェアリングを取り上げたことは、あまりなかったのではないか。また、多くの労働者にインタビューを実施したことは、新奇性という面で、有益だったと思う。 |
3点 |
| ・広範性 |
ワークシェアリングを一方的に肯定する内容だったといえるのではないか。確かにデメリットも指摘されていたが、メリットの方を強調する内容だった。労働者に対するインタビューも、公平とはいえない。なぜなら、ワークシェアリングを受け入れ、自発的にパートタイマーとなった人々だけをインタビューしているからである。また、雇用制度を広範に理解できるような内容ではなかった。昨今、日本企業で急速に導入率が高まっている成果主義と比較するような視点が確保されていなかったからである。 |
1点 |
| ・表現 |
印象的な音楽は気になったが、意図的だとは感じられなかった。パートタイマーの仕組みなどを説明するに際し、CGを利用したことでわかりやすくなった。また、多くの定量的データをグラフ化したことも評価できる。 |
3点 |
| |
| 小峯弘靖 |
| ・構成 |
オランダで80年代に導入されたワークシェアリングについて、現地での重点的、積極的な取材を行っている。失業率を下げ、人件費を下げるために、導入されたオランダのワークシェアリングがどのように導入され、その運用がどうなっているのか詳しい説明されている。オランダを参考にしようとしている日本にとっては、価値ある番組構成となっているが、プラスの面ばかりが取り上げられており、マイナス面については取り上げられていない。 |
3点 |
| ・論理性 |
ワークシェアリングの導入で、オランダでは失業率が下がったということであったが、賃金はどうなったのか具体的な数字の表示がのぞまれる。労働者には減税を行い、経営者には社会保険負担の軽減を行ったとあったが、具体的な数字の表示もほしい。80年代になぜオランダでは失業率が高かったのか。また、パートタイマーとフルタイマーの労働時間による差別を禁止したとあったが、この点についてもう少し説明がほしい。パートタイマーの人が、なぜフルタイマーに戻れるのか−大いに興味がある。 |
2点 |
| ・新奇性 |
オランダでの重点的な取材。ワークシェアリングを選択したオランダ人3名の取材とオランダからの中継は、ワークシェアリングに対する本番組の熱意を感じることができる。しかし、映像を重視しており、「論理性」の所で指摘したように、オランダのワークシェアリングに対する考察が少ない印象を受ける。 |
3点 |
| ・広範性 |
オランダのワークシェアリングのマイナス面についての説明がない。どの制度でもプラスの面とマイナスの面があるのではないか。番組ではマイナスの部分も取材も、導入を検討している日本にとっては必要である。 |
2点 |
| ・表現 |
ワークシェアリングの導入については、オランダの「経団連」が重要な役割を担っていた。経団連というと、日本の「経団連」を連想するが、オランダの経団連は日本の経団連と全く同じ構成、機能をしているのか説明がほしいところであ。取材をしたオランダ人の1人、デ・ブレイ氏の恋人に対しては、「二十八歳」という年齢の表示している。なぜ同氏の恋人だけ年齢を明かしたのか、その意図がわからない。 |
2点 |
| |
| 土井系祐 |
| ・構成 |
世界でただ一つのパートタイマーの国オランダの歴史と現在の様子が、よくわかった。フルタイマーとパートタイマーの差別をなくす法律によって、雇用を維持し、新しい活力を生み出そうとしている。しかし、日本で導入する場合について後半に時間を割いているが、時間的に無理があった。 |
3点 |
| ・論理性 |
夫が一人でフルターマーになるより、夫妻でパートタイマーをする方が40%も収入が多くなるという事例が取上げられたが、これが本当に一般的なのか?副業をしている人の事例もあるが、みんながみんな幸せになったというのではなく、問題点についても、教えて欲しかった。 |
2点 |
| ・新奇性 |
オランダにおける一つの家族の具体的な様子をみることができた。ワークシェアリングの具体的な姿をみることができたという点では、新しかった。 |
4点 |
| ・広範性 |
なぜ、パートタイマーの差別がなくなることで、フルターマーが損していることはないのか?他のEU諸国の失業率が高い中で、オランダへの労働力の移動は起きていないのか?「より人間らしい生活ができるようになった」と言っているが、社会的な調査における満足度調査のようなデータはないのか?と、疑問点がいろいろとあった。 |
2点 |
| ・表現 |
CGによる説明がふんだんに使われており、非常にわかりやすいものがあった。1980年代の労働者の抗議行動は、ほとんど暴動の様子であり、これが実際だとすると、日本は、まだまだ大丈夫だという印象を持った。
|
3点 |
| |
| 古川園智樹 |
| ・構成 |
オランダで20年前に導入されたワークシェアリングは、10%を越えていた失業率を2%台にまで下げた。さらに人々は仕事と家庭のバランスを取ることに成功し、人間らしい生活を送ることができるようになった。このようなオランダの成功モデルを紹介する点は非常に分かりやすかったが、残念ながら番組最後のスタジオトークで、日本が学ぶべき点について言及していた点は、番組の主張がぼやけてしまう結果となってしまった。 |
3点 |
| ・論理性 |
オランダの成功例を紹介していたが、ワークシェアリングの「光」の部分だけに焦点を当てており、「影」に関する説明が全く無かった。「ワークシェアリングの導入=自由な時間が増える=人生を楽しむことができる」という図式はあまりにも単純すぎるのではないだろうか。 |
2点 |
| ・新奇性 |
ワークシェアリングに関する議論は日本でも注目を集めており、特にこの番組が放送された頃には多くのメディア(テレビ、新聞、雑誌、書籍など)でワークシェアリングが取り上げられた。この番組で提供された情報は他のメディアでの報道と比べて特に新しいものではない。 |
2点 |
| ・広範性 |
「論理性」の項目でも述べたが、成功例のみを紹介しているのは、情報の広範性という観点からも問題である。ワークシェアリングの導入によって不満を抱えている人々もいるであろう。賛否両論の意見を集めることは必要最低限の取材行為ではないだろうか。 |
2点 |
| ・表現 |
大きな問題となるような表現はなかった。ただ、ナレーションで「仕事と家庭のバランスを取ることが出来るワークシェアリング」という内容のものや、国谷氏の発言で「人間らしい生き方」というものがあり、気になった。これらの発言はワークシェアリングをあまりにも高く評価しすぎるものであり、視聴者に誤ったイメージを与えかねない。 |
3点 |
| TOP↑ |
| ・番組名 |
クローズアップ現代(NHK、月−木、19:30-19:55) |
| ・番組タイトル |
「信金・信組の破たん 不安に揺れる中小企業」
2002年2月27日放送 |
・内容
(番組HPより) |
全国で相次ぐ信金・信組の経営破たん、そして金融機関の「貸し渋り」や「貸しはがし」が、これまで地域の経済を支えてきた中小企業の資金繰りを直撃している。
背景にあるのは、思うように進まない不良債権処理や、4月に控えたペイオフの実施だ。一方で、中小企業に資金の支援を行おうとする新たな動きもはじまっている。
この2年間に6つの地方銀行と信組が破綻した石川県では、自治体が、中小企業に対し経営再建のアドバイスをしながら金融機関との折衝に乗り出している。
神戸市では、中小企業同士がネットワークを組んで、資金繰りを改善しようと動き始めた。
“3月危機”もささやかれる中、金融不安にゆれる中小企業の実情と対策を追う。 |
| ・総合得点 |
78点/125点 |
| ・構成 |
18点/25点 |
| ・論理性 |
15点/25点 |
| ・新奇性 |
15点/25点 |
| ・広範性 |
14点/25点 |
| ・表現 |
16点/25点 |
| |
| 草野厚 |
| ・構成 |
4月のペイオフ解禁を前に、破綻が相次ぎ(53)、破綻しない信組も、貸し渋り、貸しはがしが続いている。借り手としての、出資者の中小企業は困っている。地域全体への影響も大きい。現状と課題、解決への試みが、いくつかの事例により紹介され、適当なコメントともあいまって、わかりやすかった。しかし、大学教授のコメントは早口過ぎないか。 |
3点 |
| ・論理性 |
ペイオフ解禁を前になぜ破綻が中小金融機関に相次ぎ、それが中小企業の経営にどうして影響を与えているか筋道を立てて説明している。破綻した金融機関の債権のうち、正常債権は、他の金融機関に引き継がれるが、問題債権とされた企業はRCCに引き継がれ、他の金融機関からの借り入れも難しくなる。大手の金融機関には公的資金を投入しても救う、他方、中小についてはつぶす方向ではないかとの疑問については、十分な説明がなかった。
他方、つぶすことの影響の大きさはよくわかった。
|
3点 |
| ・新奇性 |
事例については、特に石川県の試みの紹介などは、この番組で特に紹介されたものだろうが、もし、県からの貸付がこげついた場合はどうするかなど、説明が不十分。 |
3点 |
| ・広範性 |
大手金融機関と中小企業相手の金融機関とでは政府の方針が違うのではないかという点について、監督官庁の金融庁のコメントがないのはなぜか。信組がつぶれた時の、借り手としての困惑振りは説明されていたが、なぜ、ずさんな経営を借り手側が続けてきたのか、という点は説明がなかった。中小企業側の責任も大きいと思うのだが。 |
2点 |
| ・表現 |
最近は、全体に早口な傾向だが、このような複雑な問題の場合、果たして、大学教授や国屋さんのスピードで、視聴者が理解できるか不安。視聴者の年齢や基礎知識をもっと考えるべきではないか。 |
2点 |
| |
| 小野塚征志 |
| ・構成 |
信用金庫、信用組合が破綻していっている現状、及びその影響を指摘した上で、中小企業の対策事例を紹介する構成は理解しやすかった。また、その事例を紹介した理由も明示的だった。いい意味でも、悪い意味でも、いわゆる「教科書的な構成」だったといえるのではないか。 |
5点 |
| ・論理性 |
現状を紹介するという意味では、意義のある番組だった。また、番組が紹介する現状は、極めて具体的だった。しかし、現状の悪循環を解決するような指摘があったわけではなかった。単なる事実の把握にとどまったといえるのではないか。 |
3点 |
| ・新奇性 |
信用金庫や信用組合の破綻による影響は、すでに様々なメディアで指摘されている。番組が紹介した中小企業側の取り組みや、地方自治体の支援策も、目新しいものとはいえない。番組の最後の部分で、解説者は社会性や公共性といった評価点の確保を訴えていたが、抽象度が高すぎで、現実的な解決策とは思えなかった。 |
1点 |
| ・広範性 |
様々な事例を紹介するという意味では、広範性が確保されていたと思う。しかし、十分な公平性が確保されていたとはいえない。なぜなら、大手金融機関の担当者をインタビューしていなかったからである。また、解説者は政府の取り組みを批判していたが、そのような批判を行うのであれば、行政の担当官などにインタビューすべきではなかったか。 |
2点 |
| ・表現 |
全般的に控え目な表現だった。支援や融資の仕組み、あるいは信用金庫や信用組合が破綻することの影響に関し、CGを利用することでわかりやすい説明になっていた。 |
4点 |
| |
| 小峯弘靖 |
| ・構成 |
信用金庫が相次いで破綻し、中小企業への資金繰りが悪化している。大阪市、小樽市で信用金庫、信用組合が破綻し、その影響を受けた企業への取材、神戸市、金沢市では資金繰りの悪化に対する解決策のあらたな取り組みについての取材をしている。中小企業の経営の厳しさが伝わったくる番組である。 |
5点 |
| ・論理性 |
大阪市で、信用組合に一千万円の出資をした企業が、なぜ出資金を出すようになったのかその実態がわかる。 |
3点 |
| ・新奇性 |
問題点ばかりではなく、解決策の事例の紹介をしている。神戸市のコミュニティ・クレジット、石川県庁の支援制度を取り上げたことは、視聴者に一筋の希望を与えている。 |
3点 |
| ・広範性 |
ペイオフは、資金調達にも影響があるということ。立教大学山口義行教授の説明が問題点を広い視野で把握でき、わかりやすい。 |
4点 |
| ・表現 |
「広範性」でも指摘したように、立教大学山口義行教授の説明がわかりやすい。中小企業への融資が大企業と比較して減っているというグラフ(マイナス56兆円)は、実態の深刻さを知ることができる。 |
4点 |
| |
| 土井系祐 |
| ・構成 |
大阪市、小樽市にある中小企業の窮状の実態。神戸市における中小企業の連帯と金沢市の地方自治体による経営支援策導入の事例。代表的な事例として4件扱っているが、最後の山口教授のコメントを検証する映像も必要では。 |
3点 |
| ・論理性 |
「改革」の実態が、金融機関の再編と貸し渋り、貸しはがしに終わっていないかと、金融庁に対する不満が述べられているが、不良債権問題全体のマクロの事情があまり説明されておらず、わかりにくいところがある。 |
3点 |
| ・新奇性 |
神戸市のコミュニティー・クレジットの事例や、金沢市の弁護士、会計士による経営支援体制の整備など、新しい試みについて知ることができた。 |
4点 |
| ・広範性 |
金融庁が信金・信組の検査をやるようになって、急に厳しくなっており、破綻企業・金融機関が増えていると、立教大学の山口教授が述べており、この点について金融庁側のコメントが欲しい。また、潰れた信金・信組の関係者の話も欲しかった。 |
3点 |
| ・表現 |
CGによる説明がふんだんに使われており、わかりやすかった。この5年間で、大企業向けの融資は8兆円増えており、中小企業向けは56兆円減っているという数字は説得力がある。 |
3点 |
| |
| 古川園智樹 |
| ・構成 |
信用金庫、信用組合が破綻したことで、出資していた中小企業は資金繰りに苦しみ、解散や倒産せざるを得ないところまで追い込まれている。中小企業を救う方法として、中小企業同士の助け合いや、自治体によるサポートが紹介されている。しかし番組最後のスタジオトークでは、中小企業個々の問題にとどまらず、金融システム全体の問題だとしている。番組の焦点がどこにあるのかが分かりにくかった。 |
2点 |
| ・論理性 |
中小企業が現在、どのような問題を抱えているのか、その問題を解決するためにどのような手段が取られているかが紹介されていた。これらの一連の流れは分かりやすかったが、金融の問題との関連性については論理の飛躍が見られ、問題の所在がどこにあるのかは分かりにくかった。 |
3点 |
| ・新奇性 |
資金繰りに苦しむ中小企業が互いに支援しあう「コミュニティ・クレジット」というシステムや、地方自治体が中小企業に支援を行っているという事例の紹介は、他のメディアでは見られない情報であった。 |
4点 |
| ・広範性 |
信用金庫、信用組合の破綻によって、中小企業が資金繰りに苦しんでいる実態を明らかにしているが、金融機関や政府(金融庁など)の意見を紹介していない点は評価できない。番組最後のスタジオトークで、企業の財務状況の問題にはとどまらず、金融制度の問題でもあると指摘しているのだから、なおさらのことである。 |
3点 |
| ・表現 |
特に目立った表現等は見当たらなかった。「コミュニティ・クレジット」の説明にCGを用いており、分かりやすかった反面、単純化しすぎている感もあるのではないだろうか。 |
3点 |
| TOP↑ |