番組検証結果 
クローズアップ現代(NHK)
(2001年12月放送分)

番組名 番組タイトル 放送日 総合得点 備考
クローズアップ
現代
シリーズ雇用(1)「中小企業・進む空洞化」 12月10日 65点/100点  
「栄光と権威は保てるか〜ノーベル賞100年」 12月12日 70点/100点  
「繰り返される自爆テロ〜緊迫の中東」
12月17日 71点/100点  
「あなたの戸籍が狙われる」 12月18日 70点/100点  

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・番組名 クローズアップ現代(NHK、月−木、19:35-20:00)
・番組タイトル シリーズ雇用(1)「中小企業・進む空洞化」 2001年12月10日放送
・内容 失業率の悪化が深刻な問題となっている今、雇用の現場で、どんな激震が起きているのか。2回シリーズの1回目。NHKがIT関連の中小企業に行った雇用に関するアンケートから、激化する海外との競争、海外進出による「空洞化」の現実が明らかになる。番組では、その一方で、何とか雇用を守ろうとする様々な模索も併せて伝える。
・総合得点 65点/100点
・構成 22点/25点
・論理性 15点/25点
・広範性 14点/25点
・演出 14点/25点
 
草野厚
・構成 失業率5.4%という雇用情勢の悪化の現場報告と、海外との競争のために、国内の中小企業が連携を強めている具体的事例を紹介した見応えのある番組。前半は、中国へ生産拠点を集約するために、国内の工場を閉鎖統合することで路頭に迷う50台後半の技術者に焦点を当てる。ここまではよくあるストーリーだが、後半では、国内で空洞化を防ぐために、製造コストを下げる目的で中小企業が連携したり、新製品の開発で協力している現場を紹介している。グローバリゼーション社会の明暗の明を、一般的に暗で描かれるアクターに見出したところが秀逸。 5点
・論理性 製造業者へのアンケート調査をもとに、経営者がなにを考えているか、何を求めているかを紹介し、そのうえで現場の状況がどのようなものかを追跡調査していく。前半、後半ともに、密着取材で、説得力に富む構成である。厳しい現実のなかにも、日本企業は生き残る道はあるはずという番組の伝えたい点は、よく伝わっている。ただ、なぜ、このような中小企業の連携がこれまで実現してこなかったのか、という点に少しでも、触れてくれるとよかった。二回入る記者の説明もポイントが押さえられていた。 4点
・広範性 30分弱という短い時間のなかで、ずいぶんと多くの関係者の意見が紹介され驚いた。ただ、後半の事例で、新製品開発のための連携に関して、国からの助成がほしいというアンケート調査の結果が示されてたが、このあたり、小泉内閣の反応を入れてほしかった。 3点
・演出 前半のアンケート調査の結果紹介で、受注が減ったとして93%の数字があがっていたが、いつと比較してということが明らかにされていないので、おやっと思った。減り方も企業によって異なるだろうし、番組の構成で最も重要な点なので、もっと丁寧に説明してほしかった。 2点
 
小野塚征志
・構成 空洞化にあえぐ日本の製造業の実状を伝えるという番組の姿勢は明確だった。どういった状態になっていて、どのような取り組みがなされているかということが、容易に理解できる構成だった。ただし、日本経済全体における製造業の位置付けや工場の海外移転の進行度が理解できるような情報はなかったため、狭い範囲での議論になってしまっていた。 4点
・論理性 産業の空洞化と景気の悪化は、別な要因である。それにもかかわらず、一緒に論じていたため、論旨がわかりにくかった。景気が悪化しなければ、空洞化を防ぐことはできたのか。その点を明らかにすべきではなかったか。空洞化の背景には、人件費の安い中国の存在があるわけだが、なぜ今までは空洞化を防ぐことができたのか。現在になって、空洞化が進む原因は何か。空洞化が進むことのデメリットは何か。空洞化を防ごうと努力する中小企業の取り組みの紹介は、非常に有益な情報だった。 2点
・広範性 取材対象者の数は豊富だった。人件費が高いほかの国の現状も取り上げ、比較分析して欲しく感じた。また、日本経済全体における製造業の位置付けや工場の海外移転の進行度が理科できるような情報もあればよかった。ミクロな範囲では、複数の視点が確保されていたといえるが、広い視野で議論できるだけの情報は欠けていたといえる。 3点
・演出 アンケート結果が字幕で表示され、わかりやすかった。音楽は気になったが、意図的な感じはなかった。新たな技術の説明に関する部分では、CGなどを用いた方がわかりやすかったのではないか。 3点
 
小峯弘靖
・構成 日本国内で進行する産業の空洞化。それに、伴い中小企業の倒産とリストラの実像が描かれている。NHKが行ったアンケートを元に、6名のインタビューを織り交ぜながら番組が展開されている。空洞化による中小企業の苦悩がブラウン管から伝わってくる。 5点
・論理性 中国への工場移転が多いという印象を受けるが、なぜ中国なのか説明がほしい。中国の技術力が高まっているとのことであったが、なぜ技術力が向上しているのか。また、中小企業が共同で仕事を受注する動きがあるという発言があったが、具体例がほしい。 3点
・広範性 番組は経済問題に関することであるにもかかわらず、社会部が担当している。社会部と同時に経済部も関わっていれば、経済理論を通して空洞化について違った角度から分析ができるのではないか。 3点
・演出 アンケート結果の直筆が映されて、アンケートの信憑性が高まっている。また、時間の制約にもかかわらず、6名にインタビューをしているのは評価できる。 4点
 
大沼健太郎
・構成 前半で、中小企業が直面している厳しい現実を、また後半では、何とか生き残っていこうとする企業を取り組みを、それぞれ具体的に何社かへの取材を通して紹介するという構成はわかりやすい。ただ、一つの売りとされたアンケート調査については、位置づけが中途半端である。 4点
・論理性 いくつかの企業の現状や取り組みを紹介し、それを日本全体に一般化しようとする論理は明確だったが、実際に、番組で紹介されている事例が日本の中小企業(しかもこの番組の対象は製造業)の全体像を説明できるのかは、疑問が残る。また、アンケートについてだが、調査対象960社のうちの310社の回答では、「9割以上の企業で受注が減った」とするのは問題ではないか。 2点
・広範性 番組のスタンスが、いくつかの企業の現状と取り組みを紹介するものであるため、やむをえないかもしれないが、もう少し、この問題(中小企業の雇用)の全体像を捉えようとしてほしかった。 2点
・演出 全体としての問題は感じないが、アンケートの紹介の仕方がうまくない。短い時間の中で、調査方法を詳細に説明することはできないと思うが、であれば、Webページに掲載するなどの手段はとれないものか(01年1月現在、番組のHPへの掲載はない)。せっかくデータがあるのだし、興味のある視聴者は多数いると思う。 2点
 
土井系祐
・構成 中国の安い人件費に惹かれ、日本の製造業は、空洞化が進んでいる現状と、中小企業の連携の動きを紹介している。 4点
・論理性 大手企業が中国に生産拠点を移しており、中小企業もそれにつられるように海外に移転している。日立市の中小企業9社が、独自の技術を使って連携して製品の開発と販路の開拓を進めているが、大手銀行は振り向かないことがわかる。 4点
・広範性 政府、自治体の関係者の話や、大手企業の担当者の話なども盛り込んで欲しかった。 3点
・演出 海外への移転の様子について、図でわかりやすく説明している。 3点
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・番組名 クローズアップ現代(NHK、月−木、19:35-20:00)
・番組タイトル 「栄光と権威は保てるか〜ノーベル賞100年」 2001年12月12日放送
・内容 ノーベルの遺言によって創設されたノーベル賞が誕生してからちょうど100年。ノーベル賞は20世紀で最も権威ある国際賞の地位を確立したが、近年、賞の様々な「制度疲労」も指摘され始めている。100年を機に、秘密主義に貫かれた選考システムに改めて迫るとともに、時代に合わせた変容を求められるノーベル賞の課題を探る。
・総合得点 70点/100点
・構成 20点/25点
・論理性 17点/25点
・広範性 17点/25点
・演出 16点/25点
 
草野厚
・構成 短い時間で、ノーベル賞の100年の歴史と、抱える課題について、うまくまとめている。賞としては知られているが、ノーベル賞はどのような選考過程なのか、なにが問題点として指摘されているのかは、一般にはほとんど明らかにされていない。それを何も知らない視聴者にも、わかりやすく説明している。

4点

・論理性 前半は、信頼と評価を得ているノーベル賞の選考システムと過程の秘密性が説明され、スェーデン王立アカデミーによる理由が紹介される(興味をもってもらうために、神秘性が必要)。記録用にと撮られた、審査のビデオと、湯川博士の受賞までの記録が紹介される。 長期の審査期間の理由に、日本人の受賞候補者が関係していることも明らかにされる。
後半は、受賞が三名までであるために、仮に共同研究者が四名以上いた場合には、受賞できない者もでてくるなど、課題が多いことが、科学史専門家の解説などで説明される。大学教授の、手際のよい説明は印象に残った。
4点
・広範性

主催者、受賞候補者、ノーベル賞の研究者、ノーベル賞に不満をもつフランス、受賞者の枠が三名であるために漏れてしまった米国の研究者等々、ノーベル賞にかかわる多くの関係者が網羅されており、十分。ただ、歴史的に日本人研究者のことが触れられているだけに、現在の野依教授の受賞までの経緯を含めた、日本の陳情合戦などについても一言あればなお、よかった。

4点
・演出 50年をすぎた分についての選考過程に、テレビカメラが入ったのだから、もう少し、湯川博士に関する文書などをみてみたかった。 直接、番組の構成には関係ないが、スイスのノーベル賞研究者の、雪に埋もれた山間の家がすばらしかった。 3点
 
小野塚征志
・構成 ノーベル賞の舞台裏に迫るという姿勢ははっきりしていた。選考システムの概要を紹介した上で、その問題点を指摘する構成はわかりやすかった。途中で論点を整理すれば、よりわかりやすくなったのではないか。 4点
・論理性 厳正な選考によって、ノーベル賞の権威は高められたと述べられていたが、賞金の高さも重要なポイントになったと思われる。しかし、その点に関する指摘がなかった。選考システムの問題点に対する指摘には説得力があった。 3点
・広範性 文学賞や平和賞の選考システムについても、言及する必要があったのではないか。また、他の権威ある賞の選考システムと比較して欲しく感じた。ノーベル化学賞などの選考システムに対する分析では、多様な視点が確保されていた。 3点
・演出 ノーベル賞の選考システムはわかりにくいので、その過程を図示した方がよかった。音楽は気になったが、意図的な感じはなかった。 3点
 
小峯弘靖
・構成 ノーベル賞受賞者はどう選ばれるのか−その舞台裏を探るという趣旨の発言が冒頭にあったが、結論としては秘密主義により舞台裏の一部しか知ることはできなかった。しかし、選考過程の一部をしることができたという理由から、この番組の意義はある。 4点
・論理性 ノーベル財団のシンポジウムに参加した科学者がノーベル賞を受賞するという相関関係の指摘があったが、なるべく多くのシンポジウム参加者を調査し、その相関関係を十分に説明する必要がある。 3点
・広範性 王立科学アカデミー、ノーベル財団ついての説明がほしい。また、スウェーデン政府はノーベル賞に対してどのようなバックアップ体制を取っているのか、あるいは取っていないのかを知りたい。 3点
・演出 小山教授の説明は聞きやすい。選考過程は秘密主義になっているとのことであったが、一部でも選考過程をタイムテーブルとして表にすると視聴者の理解を促すことができる。 3点
 
大沼健太郎
・構成 ノーベル賞の選考過程を紹介した上で、その過程から導き出される問題点も含め、賞に対しての批判を解説するという流れが、非常にわかりやすかった。番組のスタンスが、単なるノーベル賞批判ではなく、賞選考委員会が直面する困難も理解するというものだったため、客観性を保っていたと思う。 5点
・論理性 一つ一つの(賞選考の)問題点や批判について、必ず、取材やインタビュー映像も交えた理由や証拠を提示している。(例えば、湯川秀樹が49年に受賞する以前、実は10年に渡って推薦されていたにもかかわらず、業績が証明されていないとの理由で授賞を延ばしてきた詳しい経緯など) 4点
・広範性 一般の視聴者には馴染みの薄いテーマのため、例えば、番組で紹介された(ノーベル賞に対する)2つの批判が、主要な批判を網羅しているのか等、知りたい点はあるが、少なくとも、全体として違和感はまったくなかった。批判に対する賞選考委員会側の苦悩もきちんと描いたことも評価したい。 4点
・演出 派手さはないものの、音楽や映像その他の工夫が、内容の理解に貢献していたと思う。また、スタジオゲストの小山慶太氏(早稲田大教授)が、わかりやすい解説をしていたのもよかった。 4点
 
土井系祐
・構成 ノーベル賞は、権威を保つために、賞の決定までの過程を秘密にしているが、50年経過したものについて、公開し始めた。近年の賞では、受賞できる人が3人と決まっているため、チームで研究している場合について問題になるなど、ノーベル賞への批判の声が出ていることがわかった。 3点
・論理性 分野が細分化されてきて候補者が多くなったり、秘密裡に選ぶために間違いを生じたり、過去の制度に縛られていたりと、問題点が多いと指摘しながらも、「時代を刻む大きな鏡であり、今後も期待されていくだろう」と結論している。 3点
・広範性 ノーベル賞を貰った人など、当事者からのコメントが欲しかった。 3点
・演出 レントゲン、アインシュタイン、キュリー夫人などの著名人の写真がスタジオに飾られていた。過去100年の会議録がしまわれた倉庫に日本のテレビカメラでは、始めて入ったとのこと。 3点
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・番組名 クローズアップ現代(NHK、月−木、19:35-20:00)
・番組タイトル 「繰り返される自爆テロ〜緊迫の中東」  2001年12月17日放送
・内容 12月はじめからイスラエルで相次ぐパレスチナ人による自爆テロ。繁華街などを狙った犯行で、市民は恐怖と緊張の中での生活が続く中、イスラエルは報復を開始した。なぜパレスチナ人は、自爆テロに走るのか?和平は保たれるのか?今回の危機の背景と、解決の道筋を探る。
・総合得点 71点/100点
・構成 18点/25点
・論理性 18点/25点
・広範性 18点/25点
・演出 17点/25点
 
草野厚
・構成 現今の泥沼化したパレスチナ情勢をわかりやすく伝えている。自爆テロとはなにか、そしてその原因はなにか、パレスチナは今後どうなるかと、三つのポイントを有機的に関連させながら説明している。 4点
・論理性 二人の自爆テロ犯をパレスチナ人はどうみているのか。神格化し英雄として扱っていることがさらに、次のテロを生んでいること、イスラエル側もアラファトの失脚は望んでいないものの、パレスチナ国家は認めないという立場を堅持しているので、戦いは容易に終わらないことなどが、ストーリー展開のなかから、説得力をもって明らかにされた。 4点
・広範性 考えられる関係者を網羅してインタビューを行っており、問題はなかった。
イスラエル、パレスチナ双方の有識者の説明もバランスがとれていた。
5点
・演出 自爆テロというと、とかく、悲鳴をあげるシーンなどが、とりあげられがちだが、その意味では、冷静な番組作りで好感がもてた。 4点
 
小野塚征志
・構成 自爆テロの構造を明らかにするという番組の姿勢は明確だった。住民の意識を紹介した上で、昨今の動きを追う構成もわかりやすかった。動きを追う際には、ポイントを確認にするなど、わかりやすさを高める工夫をして欲しく感じた。 4点
・論理性 自爆テロの支持率の変化など、実態を理解できるだけの論拠が提示されていた。また、ニューヨークでの同時多発テロ後の過程は、国際世界のダイナミックな動きの中での位置付けを確認しつつ、理解することができた。自爆テロの背景に存在する歴史的経緯を確認しておいた方がよかったのではないか。 4点
・広範性 イスラエルとパレスチナの双方の有識者の意見が紹介されるなど、公平性は概ね確保されていたといえる。しかしながら、自爆テロとそれによる死傷者の数は明らかにされていたが、パレスチナ人に対するイスラエル軍の攻撃とそれによる死傷者の数は不明確だった。 4点
・演出 爆弾テロ事件の場所を図示したことでわかりやすくなった。死傷者の数や自爆テロかどうかということについても、図でわかるようにした方がよかったのではないか。自爆テロの支持率などは、グラフ化した方がわかりやすかった。 3点
 
小峯弘靖
・構成 自爆テロについての最近のレポート。自爆テロについてパレスチナ側からのレポートに焦点が当てられている。 3点
・論理性 なぜイスラエルとパレスチナの関係が悪化したのか、その理由を2名のインタビューを交え解説している。番組を通してシャロン首相の政策に原因があるような印象を受けたが、具体的な政策の説明とその政策についてのイスラエル人の支持率が知りたい。 3点
・広範性 イスラエル側、特に行政府の主張が聞きたい。また、アメリカ政府の対応について、もう少し説明があってもよかった。 3点
・演出 爆弾テロ事件の地図は、どこでどのくらい発生したのかわかりやすくなっている。自爆した容疑者の家族にインタビューを行っていることは容疑者がどんな人物だったのかを知るのに役に立つ。 4点
 
大沼健太郎
・構成 前半では、01年12月に自爆テロを行ったあるパレスチナ人青年を取り上げ、彼の地元や家族への取材を紹介した後、ここ1年ほどのイスラエルとの関係が、なぜ若者を自爆テロに向かわせるのかを解説した。自爆テロに向かう理由という視点からは、非常にわかりやすかったが、問題は、後半で、「中東和平のゆくえ」に踏み込んだこと。時間が足りないし、番組としての焦点もぼける気がした。 3点
・論理性 前半の、「若者が自爆テロに向かう理由」の部分では、パレスチナに対するイスラエルの取り締まりが厳しくなっていく過程が、わかりやすく整理されていた。後半でも、アラファト議長の視点からという意味では、最近の一連の経緯が整理できていたと思う。 3点
・広範性 途中で何回か登場するイスラエル・パレスチナ双方の側の人物が、ともに、「武力では何も解決できない」と現状に批判的だったことに、彼らが登場する意義がどれだけあったのかという意味で、違和感があった。少なくとも、彼ら2人が、ともに政策決定に影響を与えられる立場にはないことは確認することは、誤解を生まないために必要だと思う。 3点
・演出 「繰り返される自爆テロ」というタイトルは、内容を考えると、(実際の番組の流れは中東和平そのものに行き着いているという意味で)適切ではないと思う。また、番組冒頭のサマリー映像の中で、上記2人のインタビュー映像のテロップに「イスラエル」「パレスチナ」とされていたが、これでは、イスラエル政府が武力行使に批判的なのかと誤解されてしまうので、適切ではない。 2点
 
土井系祐
・構成 パレスチナの若者達が自爆テロに走る背景を、イスラエル、パレスチナの両面から取材。イスラエルにシャロン政権が就任後、自爆テロなどでイスラエル人が200人死亡したのに対し、パレスチナ人は、800人死亡し、仕事を失い、希望をなくしていることがわかった。 4点
・論理性 シャロンによる挑発に乗ったパレスチナでの暴動を、イスラエル側が鎮圧。その後、アラファト議長が、9.11事件後にアメリカにメッセージを送り和解へ動くも、シャロン政府は、ハマス幹部を暗殺し、自爆テロを誘発している。 4点
・広範性 イスラエル内部のシャロンら強硬派側と穏健派側の両面の取材があってもよかったのでは。 3点
・演出 紛争の際の銃撃映像や、自爆テロ後の混乱の映像は他でも目にしていたが、日頃からパレスチナ人を検問している姿など、現地の映像が印象的である。 4点
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・番組名 クローズアップ現代(NHK、月−木、19:35-20:00)
・番組タイトル 「あなたの戸籍が狙われる」  2001年12月18日放送
・内容 仙台市で本人が知らないうちに、見ず知らずの人との婚姻届や養子縁組届けが役所に提出され、住民票や印鑑届けが引き出されるという不可解な事件が起きた。なぜ簡単に戸籍を偽造できたのか。個人情報が氾濫する中で、犯罪に対して脆弱な戸籍制度の問題点を見る。
・総合得点 70点/100点
・構成 21点/25点
・論理性 17点/25点
・広範性 16点/25点
・演出 16点/25点
 
草野厚
・構成 住民票、戸籍の偽造が簡単に行える、法の盲点を取材。これまでほとんど聞いたことのない事件だったこともあろう。つまり予備知識がなかったので、やや犯罪の手口などが理解しづらかった。 3点
・論理性 事件の概要、戸籍が回復されても苦痛を味わう被害者、問題点、再発防止策と、筋立てはわかりやすい。しかし、構成でも述べたが、30分という制約のためか、問題の複雑さはわかったものの、全体を十分、理解できたとはいえない。 3点
・広範性 法務省の生の声を聞けなかったのは、マイナスである。問題の所轄官庁だけにおしい。 2点
・演出 犯罪の流れを画面でできるだけわかりやすく伝えようとした努力は買おう。しかし、本来話を補う役の大学教授が、質問者の質問を繰り返すなどして、もたついた。同席したNHKの記者も、目線が下で、安心してみていられなかった。 2点
 
小野塚征志
・構成 戸籍偽造事件の構造を明らかにし、行政システムの問題点を指摘するという番組の姿勢ははっきりしていた。また、実際の事件の経過を追った上で、問題点を整理する構成はわかりやすかった。 5点
・論理性 戸籍や住民票が他人に偽造されてしまう仕組みは理解することができた。しかし、偽造を防ぐ方法については、十分な考察がなされていなかった。偽造された戸籍を元に戻すということについても、法律の改正を含め、踏み込んだ検証をして欲しく感じた。 3点
・広範性 住民票などを偽造されたことによる被害は誰が補償するのか(補償されないのか)、外国ではどのような手続きシステムを導入しているのかなどの疑問に答えられる情報があればよかった。行政システムについては、その問題点に対する指摘と、行政側の見解の両方が紹介され、最低限の公平性が確保されていたといえる。 3点
・演出 CGによる説明によって、住民票などの偽造方法が理解しやすくなった。法務省の役割、地方自治体の責任などをはっきりわかるような図が必要だったのではないか。 3点
 
小峯弘靖
・構成 戸籍が狙われる手口が詳細に説明され、戸籍がいかに容易に変えることができるかも述べられている。ただ、解決策が課題を残したままのものとなっており、視聴者に不安を煽るような作りとなっている。 4点
・論理性 戸籍が狙われないようにするためには、個人の権利と個人のプライバシーをどう両立させるかが課題となるが、残念ながら堀部教授の説明が聞き取りにくく、論理性は低い番組になっている。公的な機関が発行した証明書が必要。本人証明になるものはない。個人の権利と個人のプライバシーをどう両立させるのか。堀部教授の語りが残念ながら聞きにくい。 2点
・広範性 テーマの関係上、広範性は強く求められない内容になっている。 4点
・演出 BGMが視聴者の不安を掻き立てる可能性がある。 3点
 
大沼健太郎
・構成 全国規模で戸籍や住民票の偽造を繰り返していた容疑者の手口を説明することで、現在の戸籍制度の盲点(窓口での本人確認)を明確にし、被害者の戸籍を偽造前に復活させることが法的に不可能なことを示した後、今後の対策を考える、というわかりやすい構成だった。最後のまとめも、安易に「議論が必要だ」とするだけでなく、国・地方・個人レベルでの対策に具体的に言及したのがよかった。 4点
・論理性 全体を通して、番組の流れの中で視聴者が「なぜ?」と思うであろうことに対して、すぐにきちんとした理由を説明している(例えば、戸籍を偽造前に完全に戻すことはできない、など)。番組が取り上げた最大の問題である、住民票等変更の際の「窓口での本人確認」がないことに対しても、そう簡単にはいかないことの理由に挙げていた、プライバシー配慮の問題には納得した。 4点
・広範性 初めて聞いた問題であることもあり、このテーマについて、特に「知っておきたい」と尾思う情報はなく、少なくとも限られた時間の中では、十分に広範性が保たれていたと思う。犯罪の起きた仙台市や他の地方自治体が、現在とっている対策もきちんとフォローしていたことも評価できる。 4点
・演出 口で説明するだけではわかりにくい「住民票・戸籍偽造の手口」を、CGを使ってわかりやすくしていた。欲を言えば、番組最後に「自分の自治体は何か対応をしているのか」と不安に思うであろう視聴者のために、局の調べた範囲内での「各自治体の動き」を紹介できれば、親切だと思う(番組中は不可能なので、ホームページに載せるなど)。 4点
 
土井系祐
・構成 戸籍、住民票などの偽造が簡単に行われてしまった衝撃。行政サービスの迅速化の流れの中で、制度の盲点が浮き彫りになった。21歳と18歳の男女による犯行であり、その手口が克明に紹介された。 5点
・論理性 法律上は、各自治体のやり方には問題はなかった訳だが、制度の盲点を衝いた犯罪に巻き込まれた被害者は、何の落ち度もなかった筈にも拘らず、救済されないことに、信じられない想いがした。 5点
・広範性 「自己防衛するしかない。必要がなくても時々チェックする必要がある」という結論には、いささか呆れた。このような犯罪の再発防止のためにどのような法改正が必要なのかなどの専門家の意見が聞きたかった。 3点
・演出 手口が図などで、克明に紹介されて、わかりやすかった。 4点
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