テレビ番組の「格付け」とは |
メディア検証機構は各種テレビ番組の検証、格付けを行い、冊子を通じて結果 を会員の皆様に提供していきます。また、検証結果の詳細はホームページにも掲載し、更に多くの方々に対する情報の提供を行います。本機構がテレビ番組の検証、格付けを行い、結果
を広く多くの方々に提供していく目的は、大きく分けて2つあります。
第1に、視聴者に対する情報の提供という目的です。1999年に実施されたNHK放送文化研究所の世論調査によると、「世の中の出来事を知る」ために最も役立つメディアとしてテレビをあげた人は、50代の男性を除き、約半数にものぼります。多くの人々にとって、テレビを通
じての情報収集が一般的になっていると いうことを如実に表す調査結果だといえるのではないでしょうか。
一方、テレビメディアの特性を深く理解し、主体的な判断に基づいて番組を視聴する人々が大多数だといえるでしょうか。そういう人は少ないのではないかと危惧するだけの理由があります。多くの視聴者は自らのメディア・リテラシー(各種メディアが提供する情報を読み取る能力)を向上させる機会を得ていないからです。近年、学校教育の場でメディア・リテラシーに関する授業も行われているようですが、何年も前に学校を卒業してしまった人には意味がありません。
また、日常生活の中で自らのメディア・リテラシーを向上させることは、容易ではありません。同じテーマを扱った複数のニュース番組、ドキュメンタリー番組を見れば、各番組の違いが明確にわかります。そのテーマの背景事情を知っていれば、番組の問題点が浮き上がってくるかもしれません。しかし、日常的に複数のニュース番組、ドキュメンタリー番組を見続けることは、時間的制約(同じ時間帯に放送している番組も多いので)もあって一般
的な視聴者には困難です。そういった状況の中で、本機構が各番組の違いを知ることのできる検証結果 を多くの視聴者に提供することは、極めて意義深いことだと考えております。
第2に、番組の質の向上に寄与するという目的です。米国には、ジャーナリストの1年間の仕事ぶりを検証、格付けした『メディア・ガイド』という本が存在しますが、日本にそういったものはありません。テレビ番組に限って考えれば、日本には視聴率という評価尺度しか存在しないわけです。民間放送と異なり、スポンサーの意向を気にする必要がないNHKでさえも、視聴率を気にしているようです。結果
として、良質な番組を提供したいと考えている制作者も、視聴率の動向に注視せざる得ない状況があるわけです。
視聴率至上主義が蔓延することは、視聴者にも不幸な状況をもたらす可能性があります。仮に、事実よりも面 白さを大事にし、演出過剰なニュース番組の方が視聴率を得られるということになった場合、正確な情報を伝える番組が駆逐されてしまうかもしれません。本機構は「質」の面
で番組を検証し、その結果を広く多くの方に提供することで、視聴率とは別 な尺度を成立させたいと考えています。
さて、以上のような目的を達成するために、各種テレビ番組を検証するわけですが、検証を担当する本機構の研究員の時間的制約もあって、すべてのニュース番組、ドキュメンタリー番組を対象とすることは困難です。従いまして、恒常的に検証する番組と致しましては、『クローズアップ現代』(NHK)、『NHKスペシャル』(NHK)、『ドキュメント'01』(日本テレビ系)、『報道特集』(TBS系)、『ザ・スクープ』(テレビ朝日系)の5つを選択させて頂きました。この5つの番組は、各放送局を代表するドキュメンタリー番組だと認識しております。
この5つの番組においても、検証することが困難な内容のものもあります。例えば、1人の人物のインタビュー内容だけを放映したもの、あるいは現状を報告するだけのようなものなどがそれに当たります。そこで検証を行う放送日も取捨選択して行いました(検証の対象となるのは、概ね全放送数の3分の2程度)。なお、検証の対象となっていない他のドキュメンタリー番組、及びニュース番組についても、不定期で行っていきたいと考えております。
番組の検証は4人の研究員が担当します。複数の研究員が担当することによって、客観性を確保したいと考えております。
格付けに際しては、5項目(構成・論理性・新奇性・広範性・表現)を基準に各項目5点満点で採点します。5点=極めて優れている、4点=優れている、3点=普通 、2点=問題がある、1点=極めて問題がある、という基準だとご理解下さい。4人の研究員が4つの項目について、各5点満点で採点致しますので、100点が総合の最高得点ということになります。 |
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